データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2024年度大学入学共通テストの「現代社会」の問題分析は次の通り。

― 政治分野の出題が増加。具体的事例から知識を問う現代社会らしい出題。難易は昨年並 ―

昨年同様、全ての大問で生徒の活動場面が題材となり、学習した事項を具体的な事例に関連づけて考察することが求められた。文献や統計、模式図など様々な資料が使われ、多くの情報を効率よく読み解く必要があった。政治分野からの出題が増加した。文章選択問題が減少し、8択の組合せ問題が増加した。難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数5は、昨年から変更なし。解答数は30個から31個に増加。

出題形式

文章選択の問題が減少(14→11)し、組合せ問題が増加(16→20)した。8択の問題が、昨年の7問から11問に増加した。

出題分野

昨年増加した国際経済からの出題が減少し、例年並みとなった。政治分野からの出題が増加した。地球環境の分野から3年ぶりに出題された。例年同様、「現代社会」の幅広い範囲から出題された。「現代社会」の学習内容を身近なテーマに置き換えて考える問題や、具体的な事例を一般化して整理する問題は特定の分野にとらわれず出題された。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「安全保障に関する政治と裁判」 (22点・標準) 

安全保障に関する個別の発表を切り口に、国内の政治を中心として国際政治についても問われた。問4はインターネット選挙運動のルールについて、具体例を用いて考察する問題であった。問7では、食料安全保障の考え方について正確な理解をもとに考察することが求められた。

第2問「『働くことと生き方』の調査研究」 (19点・標準) 

インタビューを通じた調査研究を題材にして、青年期や哲学者の思想、労働問題について問われた。問1では調査のために情報を収集する手法についての知識が問われた。問4はアイデンティティについて、エリクソンの定義に沿って具体的な事例を分類する出題であった。

第3問「日常生活から考える政治」 (21点・標準) 

将来の夢やテレビ報道などの日常生活を切り口に、政治分野から出題された。問5は、損害賠償の具体的な事案において、特定の条件に沿って裁判の判決と和解について考えさせる出題であった。

第4問「開発途上国から考える国際経済」 (22点・標準) 

開発途上国に関する会話から、国際経済や地球環境問題などが問われた。問5では京都議定書とパリ協定の違いが問われた。問6ではある国の為替を題材に、為替相場や通貨制度に関する知識をもとに考察することが求められた。

第5問「『地域づくり』に関する探究学習」 (16点・やや易) 

地域づくりをテーマにした探究学習という場面設定で、政治分野を中心に資料を用いた問題が出題された。問2では統計資料から関係人口の重要性と特徴を読み取ることが求められた。問3は関係人口がもたらす効果について、具体的な事例に当てはめて考える問題であった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2023年度 59.46点
  • 2022年度 60.84点
  • 2021年度 58.40点
  • 2020年度 57.30点
  • 2019年度 56.76点