データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校共催)による2024年度大学入学共通テストの「化学基礎」の問題分析は次の通り。

― 宇宙ステーションの空気制御システムを題材とした問題が出題された。難易は昨年並 ―

第1問では、昨年同様に基本的な問題が小問集合形式で出題された。グラフを読み取り計算する、思考力を要する問題があった。第2問では、宇宙ステーションの空気制御システムにおける化学反応が取り上げられた。反応の量的関係について、反応式の係数を利用する問題が複数あった。難易は昨年並。

大問数・解答数

大問数2は、昨年から変更なし。昨年17個であった解答数は18個に増加した。

出題形式

文章選択問題、語句選択問題を中心に出題された。

出題分野

昨年と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。

問題量

昨年並。

難易

昨年並。

大問別分析

第1問「物質の構成、物質の変化」 (30点・標準) 

昨年と同様、「物質の構成」を中心に小問集合形式で出題された。問1~3、5、6では、「物質の構成」に関する基本的な知識が問われた。問4では、化学電池に関する知識が問われた。問7はメタンの燃焼反応の量的関係に関する計算問題、問8は酸と塩基に関する正誤問題、問9は酸化数を求める問題であった。問10は、混合気体中に含まれる気体の割合を求める問題で、グラフから気体のモル質量を読み取り、計算式を立てる力が求められた。

第2問「物質の変化」 (20点・標準)

宇宙ステーションの空気制御システムにおける化学反応を題材に、化学反応の量的関係、酸化還元、分子の極性、電気分解などについて問われた。問1は水の電気分解に関する正誤問題、問2は題材のサバティエ反応に関する酸化還元及び量的関係の問題、分子の極性に関する問題、問3もサバティエ反応をもとにした計算及びグラフ選択問題であった。与えられた化学反応式について、量的関係を正確に扱えるかがポイントであった。

過去5年の平均点(大学入試センター公表値)

  • 2023年度 29.42点
  • 2022年度 27.73点
  • 2021年度 24.65点
  • 2020年度 28.20点
  • 2019年度 31.22点