「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」まで、1カ月を切りました。入試直前期に押さえておきたい「地歴・公民」の勉強方法、知っておきたいポイントを紹介します。(協力・東進ハイスクール)

【世界史】設問文もよく読み込む

問題演習の答え合わせをする際には、用語集などで、関連する同時代、同地域の出来事にも目を通しておこう。地図や図版とともに設問文もよく読み込むことが重要だ。初見の資料を使用した思考力を問う問題が出題されても、ベースとなる世界史の知識を使って答えが導けるので慌てないこと。

2023年大学入学共通テスト世界史Bの問題。フランス王家の家系図が資料として出題された

【日本史】情報処理能力が必要

複雑な問題設定から、各設問で何が問われているか、どのような資料・前提をもとに考えるかを的確に見抜く必要がある。知識を問う設問と思考力を計る設問、どちらにも共通する基礎知識はしっかり確認しておこう。限られた時間内で必要な情報を読み取って次々と答えを導く、情報処理能力が求められる。

【地理】初めて見る出題形式への対応力

知識の暗記だけではなく、知識を前提として、いかに思考・判断して考察していくかが重要。いずれの大問も、図・写真・表などが多く使用されることが予想される。図の読み取りと関連する事柄の組み合わせを2つ選ぶタイプの問題など、初めて見る出題形式に対応していく力も必要。

2023年大学入学共通テスト地理Bの問題。多様な資料が用いられている

【政治経済】実社会での応用までも意識

資料に関する問題や読み取り問題の出題が予想される。情報処理能力が求められる試験になるだろう。単純な知識問題ではなく、考え方の変遷をしっかりと押さえたうえで政策や取り組み例を選択するといった思考力が問われる出題にも対応できるよう、実社会での応用までを意識して学習してほしい。

2023年大学入学共通テスト政治経済の問題。県の広報誌を題材にした出題があった

【現代社会】模試を活用し対策を

単純な知識問題と、資料読解や意見・考えについて問われる問題が出題される。特に思考力・判断力を問う問題は共通テストならではの出題となるため、これまでの模試を活用してしっかり対策をしておこう。

【倫理】バランスよく復習して

青年期、現代社会分野、源流思想、日本思想、西洋近現代思想がまんべんなく出題される。バランスの良い復習が求められる。また絵画・写真など視覚資料を用いた出題などでも、歴史的背景など倫理の知識をしっかり身につければ解答が導ける。

あいまいな理解を修正していこう
地理・村瀬哲史先生(東進ハイスクール)

 共通テストやセンター試験の過去問などを使って問題演習をどんどん行ってください。実際の共通テストではどのように出題されるのか、どこに注目すれば問題を正しく解くことができるのかを確認しましょう。

 問題を解いていると、授業で聞いたのに忘れてしまったところ、自分では理解していたつもりでもそれがあいまいだったところが見つかると思います。そのときは、解説を丁寧に読みながら、教科書やノートを見直して、しっかり理解しておくこと。そして「なんとなく正解した問題」に気をつけてください。これを見直さずに放っておくと、試験本番で似たような問題が出題されたときに、取りこぼしてしまう可能性が出てきます。

 問題演習をやるとどうしても点数が気になりますが、一喜一憂せず、あくまでも自分の中であいまいだったところを修正することに重きを置きましょう。(「東進タイムズ」より)