第20回 受賞者インタビュー

地域民話研究部門（団体）

　最優秀賞　

「松山平野南部の伝承調査 ～河童・大森彦七・落武者の里の謎を解く～」

　愛媛県立松山北高等学校　　郷土研究部      　　　　 作品はこちらからご覧いただけます　

 

 

 

 

―受賞した感想を教えてください

　大変嬉しく思っております。四年連続で受賞させていただけるとは思っていなかったため、とても光栄に感じています。

 

―このコンテストに応募しようと思った理由を教えてください

　過去三年間にわたり松山市小野谷に残る小野小町伝承について研究してきました。研究がひと段落ついたので、小野地区をはじめ松山平野南部に伝わる他の伝承について研究したいと思い、調査研究しました。

 

―調査・研究のきっかけとなった出来事や体験したことを教えてください

　今年度の研究内容を部内で募集した際に、松山市小野小学校の副読本『ふるさと小野』の中に、三つのエンコ(河童)伝承が記載されており、研究することに決めました。また、『太平記』で紹介されている著名な伝承である大森彦七伝承の成立過程についても迫りたいと思い、研究しました。最後に今年度、本校に赴任された先生から東温市滑川地区にはたくさんの落武者伝承があると教えていただき、研究することにしました。

 

―今回、探究活動をするにあたって、一番重要視したことを教えてください

　特に重要視した点は、「何を解明するのか明確にする」という点です。今年度からは全く新しい研究を始めるにあたって、論点がずれないよう部内で注意して研究を行いました。明確にすることでレポートにまとめる際、手際よく進み、研究としても充実したものになったと思います。

 

―探究活動を通して、成長したことや学んだことを教えてください

　成長したことは史料や文献から読み取る力だと思います。私が担当した研究はエンコ(河童)伝承ですが、たくさんの伝承がある中、共通点を見つけ、分類することができました。また、様々な史料や文献を読み比べることや実際に伝承が伝わっている場所を訪れ、肌で感じることが研究を進めていくうえで重要であると学ぶこともできました。私はまだ一年生でありながらこのような成長の機会があり、とても嬉しく思います。

 

―伝承文化に興味を持ったきっかけを具体的に教えてください

　私は大三島の獅子舞を見てから獅子舞が好きになりました。幼いころは獅子舞のことは格好いいとしか思っていませんでしたが、小野小学校の副読本『ふるさと小野』を読んだり、本校の郷土研究部という存在を知ったりして、なぜ獅子舞をしているのか具体的に知りたいと思うようになったことがきっかけです。

 

―伝承文化を身近に感じますか？

　私は小学生のときから地元の獅子舞保存会に入会し、地域の伝統を守っていくために活動を行ってきました。しかし、今年度の研究を通してこのような素晴らしい伝統や伝承が消滅の危機に瀕していることを知り、私たちが後世に継承していくことが使命だと感じています。

 

―伝承文化を継承していくことについてどのように考えますか？ また、伝承文化の魅力は？

　伝承文化を継承していくことはとても大切なことだと思います。郷土研究部に入部して、小野小町伝承を演劇として伝えていくことがとても素晴らしいことだと思いました。私自身もこの演劇に三回参加しました。自分が参加することで伝承をより身近に感じることができ、より知ることができました。その際、子供たちにも「おもしろかった」とたくさんのコメントをいただき、私たちが伝承の継承に直接関わることができていると感じました。
　伝承文化の魅力は、その伝承の成立過程や背景を見ていくことで、その地域の魅力やその伝承が伝わっている意味、そして先人たちからのメッセージを知ることができる点だと思います。私は小野谷の小野小町伝承に私の先祖が関係していることを知り、驚きました。このように、伝承文化を知ることで意外な魅力や事実を知ることができる点が私が思う伝承文化の魅力です。 

 

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