地域文化研究部門(個人)

 最優秀賞 

「千葉県大網白里市山辺地区における講の現状」

 千葉県立長生高等学校  戸田 武瑠        作品はこちらからご覧いただけます 

 
 

―受賞した感想を教えてください

 大変嬉しく思います。地元の方々や学校の先生、家族など様々な方のご厚意で成し得た調査だと思うので、お世話になった方々に感謝の気持ちを伝えたいです。また、調査対象となった「講」についてより多くの人に知ってもらえると嬉しいです。 

 

―このコンテストに応募しようと思った理由を教えてください

 地域の文化について調べていた中で、先生や知人の方から本コンテストの紹介がありました。作品集を取り寄せて受賞作品を読み、自分が今まで行ってきた活動と重なっていたので応募に至りました。

 

―調査・研究のきっかけとなった出来事や体験したことを教えてください

 私が住む山辺地区の路傍で、講の行事を目撃したことがきっかけで調査しました。山辺地区の路傍に立てられた卒塔婆を不自然に思い、インターネットで調べたところ子安講の宗教行事であることがわかりました。そこから自分の住む地域の講に興味を持ち、図書館などで資料を探すようになりました。しかし、文献資料が少なく、現状が不明なことから聞き取り調査によって講の現状を明らかにしようと思い、調査を始めました。 

 

―今回、探究活動をするにあたって、一番重要視したことを教えてください

 探究活動をするにあたって、重要視したことは調査の方法です。調査対象地となった山辺地区は文献資料が少なく、私の研究テーマである「講の現状」については資料がありませんでした。そのため、現地を訪れて住民の方に質問を行う聞き取り調査を実施しました。しかし、私が想像していた以上に聞き取り調査は困難で、何度か挫折しかけましたが、地元の方のご厚意や周囲の励ましで調査を終えることができました。結果として、文献資料だけではわからない地元の方の生の証言(講に対する意識や想い)を多く伺うことができ、調査結果が充実したものになりました。 

 

―探究活動を通して、成長したことや学んだことを教えてください

 調査を通して人との接し方や地域の捉え方が変わりました。私は人と関わることが苦手なので、当初は聞き取り調査を行うことに不安がありました。しかし、現地を訪れて様々な方へ聞き取りを行い、人々のご厚意に触れることで、人との接し方を考え直すことができました。また、今回の調査で住民の方から地域にまつわる様々なお話を伺えたので、地域をより深く捉えることができました。 

 

―伝承文化に興味を持ったきっかけを具体的に教えてください

 私は幼少期に祖母から民話の読み聞かせや地域の里山へ散歩に連れて行ってもらっていたので、伝承文化や地域に対する興味が芽生えたのだと思います。また、私は地域のボーイスカウトに参加していたので、山辺地区の自然や文化に触れ合う機会が多く、地区内の様々なものに関心を持ちました。特に路傍に残る道祖神や馬頭観音、古老が語る地域の昔話しなどは私の幼心を刺激し、伝承文化への関心を引き立てました。 

 

―伝承文化を身近に感じますか?

 今回の調査によって、自分の住む地域の伝承文化について住民の方から多くのお話を伺えたので、伝承文化を身近に感じています。 

 

―伝承文化を継承していくことについてどのように考えますか? また、伝承文化の魅力は?

 伝承文化は過去から現在の人々まで受け継がれてきたという点で価値があり、魅力的だと思います。しかし、現在は少子高齢化や人々の価値観の変化によって伝承文化の継承が困難になっています。現に、私が調査で訪れた集落でも講の宗教行事を廃止した集落や、高齢化により講を廃止する予定がある集落などがあり、伝承文化を継承することの難しさを再認識しました。そのような状況の中で伝承文化を記録として残すことが大切だと思います。 

 

 

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