受賞者インタビュー

【地域文化研究部門(個人)】最優秀賞・折口信夫賞 

「エイサーに学ぶ伝統文化の継承~園田青年会と宮里青年部への聞き取りを中心に~」

昭和薬科大学附属高等学校  盛根 悠生      作品はこちらからご覧いただけます

 

―受賞した感想を教えてください

まさか自分がこのような賞をいただけるとは思っていなかったので、単純にとても嬉しいです。上手くいかないことが多く、何度も応募を諦めかけていましたが、先生方や家族、友達に祝ってもらい、最後まで頑張って良かったと思いました。

 

―このコンテストに応募しようと思った理由を教えてください

私はこれまで、部活動や課題活動にあまり積極的に参加できずに高校生活を送ってきたため、今年の夏は何か一つ、一生懸命に打ち込めるものがあったら良いなと思い、探していました。そんな時に担任の先生からこのコンテストの案内を受け、地元の伝統文化であるエイサーが大好きな私は、直感でこれだ!と思い、応募するに至りました。

 

―調査・研究のきっかけとなった出来事や体験したことを教えてください

私の地元沖縄市は、沖縄県の中でも特にエイサーが盛んな地域であり、私も小学生の頃、子ども会に所属してエイサーを踊っていました。エイサーはとても身近で大好きな文化である一方、その歴史や背景はほとんど知りませんでした。また、その今後についての興味が強かったため、今回の調査では、文献のみならず、実際にエイサーに関わる方々の話を聞くことで、自分の見聞や考えを深めたいと思い、テーマ設定を図りました。

 

―今回、探究活動をするにあたって、一番重要視したことを教えてください

私はテーマを決めるのにとても時間がかかりました。このような探究活動に取り組むのは初めてであったため、予備調査のあと、自分の興味の強い分野に絞って何度もテーマを練り直しました。テーマが定まったあとは、調査や考察の内容が逸れることがないように注意しました。また、エイサーがとても身近な文化であるだけに、事実と意見をしっかり分けることも意識しました。

 

―探究活動を通して、成長したことや学んだことを教えてください

私はこの探究活動を通して、エイサーに関する知識や考えを深めることができました。しかし、それ以上に人と関わるという面で、とても大きく成長できたと思います。私はもともと人とコミュニケーションをとるのが苦手で、普段初対面の大人と話す機会もないため、インタビューはとても緊張しました。アポを取る際も、予想できる会話の流れをすべて紙に用意して電話しました。人々と関わる過程で、失敗や後悔もありましたが、これらの経験は、私にとってとても意義のあるものになりました。
また、最後まで諦めずに取り組めたということも、私にとってはとても大きな成長だと思います。常日頃から計画を立てるのが苦手で、今回も強行軍でしたが、一つの物事をやり遂げたという事実は私の中で大きな自信となり、今後も積極的に新たなチャレンジをしてみたいと思うようになりました。

 

―伝承文化に興味を持ったきっかけを具体的に教えてください

沖縄では琉球王国時代から受け継がれてきた独特の伝承文化が発達しており、小さい頃からそれらに触れる機会もたくさんありました。三線やエイサーの音に盛り上がる空気の中、幼いながらに「これが昔から受け継がれてきたってすごい」と思い、どのように伝承されてきたのかという点にはとても興味がありました。

 

―伝承文化を身近に感じますか?

日頃から関わる機会の多い、エイサーや三線はとても身近に感じていますが、組踊やハーレーなど、自分の住んでいる地域では滅多に触れることのない文化も多くあります。

 

―伝承文化を継承していくことについてどのように考えますか? また、伝承文化の魅力は何だと思いますか?

合理化を求め、淘汰されていくものが多い今日において、伝承文化を継承することは、とても難しいことかもしれません。しかし、伝承文化は、「伝承」されてきた文化であるということがとても魅力的であり、価値のあることだと思います。その文化が誕生してから今日まで、その過程の中には様々な歴史や多くの人の想いが詰まっていると、今回の活動で感じることができました。
昔からそのまま同じ文化を受け継ぐということはとても素晴らしいことですが、過程の中で変化していくということも、一つの魅力的な歴史ではないかと思います。先人たちがこれまで受け継いできたバトンを、私たちなりのやり方で、次世代に受け継いでいくべきだと考えています。

 

応募に関する情報は、応募概要ページ からご確認ください。

 

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