塩崎優衣さん

 受賞理由 
 平成25年度ラグビー部に唯一の女子部員として入部。果敢にプレーする姿は周囲の女子生徒に感動を与えた。2年次からはクラブチーム「東京フェニックス」にも所属し、今年度6月に行われた太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ東京大会ではチームを優勝へと導いた。男女が対等な立場であらゆる分野で活躍できることを実践し、学校全体が活気のある学びの場となった。

男子と練習、夢は五輪

「高校でも部活でラグビーをやりたかった」。父の影響で小学校2年からラグビースクールに入り、中学の部活でも男子とプレーした。「毎日ボールに触れた方が良いと思った」。女子を受け入れてくれるラグビー部を自ら探して青山高校入学を決めた。

3年間、女子部員は一人だったが、男子とともに汗を流した。「男子のスピードに慣れたのは良かった」。週2回の筋肉トレーニングもこなし、昨年度は15人制の女子U18日本代表に選ばれるまでに成長した。

高校2年次には7人制の強豪クラブチーム(東京フェニックス)にも加入、勉強とラグビーを両立する忙しい日々が続いた。休み時間や移動時間も勉強することで、学校の授業にもついていった。「両立していてすごい!」という友人からの言葉が大きな支えとなった。

昨年12月末に全国高校ラグビー大会で行われた女子の東西対抗に出場するために、ラグビーで培った粘りと集中力をみせてAO入試で大学合格も決めた。「最後の大会なので集中したかった」。東のチームのキャプテンとして、最後の花園を駆けた。

2020年には東京五輪が開かれる。「夢は日本代表の桜のジャージーを着ることです!」。大学でも文武両道を貫く気持ちは固い。今後も楕円球とともに、前に進んでいく。

(斉藤健仁)

 塩崎さんへのQ&A 

Q.どうしてラグビーと勉強を両立できたのですか?

部活でラグビーをしてから家に帰ると、疲れが出てしまい、勉強することがなかなかできなかったので、授業をしっかり聞くことを心がけていました。そうすると結構、覚えているものですよ。

Q.どんな工夫をしていたのですか?

家から学校まで電車で30〜40分ほどかかるのですが、その間は英単語を覚える時間に充てていました。高校3年生になると部活以外にクラブチームでもプレーするようになり、毎月のように大会がありました。そこで手帳に大会の日付、テストの日付を記して、さらにテストまで何週間前と書くようになりました。その時々に何をするか考えて、時間がなかったので休み時間も勉強するようになりました。

Q.後輩に伝えたいことは?

また、ラグビーで学んだことですが、最後まであきらめずに取り組むことで、勉強でもスポーツでも何とかなると場合も多いと思います。そういった積み重ねがあって、大学もAO入試で合格することができたと思います。大学に入ってもラグビーは続けるつもりですし、大学の勉強についていけるように、部活の前に今でも英語と数学だけは勉強しています。

 学校の特色 
 都が指定する進学指導重点校。国公立大学を目指す規律ある進学校として、知・徳・体のバランスがとれた全人教育を実施。「高きを望め 青山で」を合言葉に安易に妥協しない指導を展開。学業・学校行事・部活動の三兎を全力で追う学校。