薬学部を設置している大学は現在、全国に70校以上ある。志望校を決めるにあたっては偏差値や学費で決めることが現実的には多いだろう。より自分に合う大学を選ぶためのポイントをまとめたので参考にしてほしい。

 

大学ごとの強みを生かした教育内容で選ぶ

薬剤師養成の基本となるカリキュラムは各大学共通だが、「医薬連携教育」「早期の現場体験」「少人数教育」「地域医療への貢献」「薬局経営」や「漢方の知識の習得」など、大学ごとに特色がある。

大学のホームページや大学案内で詳細をチェックし、できればオープンキャンパスに足を運んでカリキュラムを比較することが大切だ。

避けては通れない薬剤師国家試験の合格率から大学を選ぶ

2023年2月に行われた、第108回薬剤師国家試験の合格率は69%。新卒に限れば84.8%だ。しかし50%を下回っている大学もある。

厚生労働省では毎年、ホームページで大学別合格率を発表している。数年分を確認し、大学ごとの傾向を把握しておこう。

また、合格率の差は、各大学が国家試験対策へどれだけ力を入れているかによるとも言える。受験対策を学生個人に任せている大学もあれば、予備校の講師を招いて対策授業を行うなど、国家試験対策に力を入れている大学もあるので、大学を選ぶ際の参考にしてみよう。

学費は国公私立で大きな差 私立は卒業までに約1200万

薬剤師養成課程(6年分)の学費総額がいくらになるのか、あらかじめ知っておこう。

国立大学の授業料は文部科学省令によって、標準額が定められおり、6年分の授業料と入学金を合わせ、350万円余りになる。

公立大学の学費は国立大学とあまり変わらないが、大学所在地の住民であれば入学金が割り引かれる制度を持つ大学もある。

私立大学の学費は大学ごとに違いがあるが、平均して年間200万円。卒業までに1200万円以上かかるといわれている。

学費が安いのは国公立大学だが、私立大学でも授業料減免や大学独自の給付型奨学金の制度を設けているところもあるのでしっかりと調べておこう。経済的な理由からアルバイトに励みすぎ、学業がおろそかになることのないよう、あらかじめしっかりと考えておこう。

受験科目は英・数・化が基本 記述対策も必要

 

国立大学は大学入学共通テスト(5教科7科目)と二次試験(前期は英語・数学・理科2科目が基本)を受験する。二次試験は基本的に全科目記述式だ。二次試験の数学は数Ⅲまで範囲に含まれることが多い。国立大学を目指すのであれば、数Ⅲ対策が必要だ。

公立大学は国立大学と同様に共通テスト(5教科7科目)と二次試験(英語・数学・化学が基本)を受験する。二次試験は基本的に全科目記述式となる。

私立大学は大半の個別試験が英語・数学・化学(数学は基本的に数ⅠA・ⅡBまで)の3科目。選択式の問題が多いが、大学や科目によっては記述式もある。合否判定に共通テストを利用する大学もある。

★薬のスペシャリスト薬剤師や研究者がめざせる大学
北里大学(4年制・6年制)
昭和薬科大学(6年制)
星薬科大学(4年制・6年制)

明治薬科大学(6年制)