金井柊(かない・しゅう)さん(東京・桜修館中等教育学校6年=高校3年)の作品「Frankfruter Eiserner steg in der Nacht」を紹介します。ドイツへの語学留学で見た景色を油絵で描いた作品は、文化部の全国大会「全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)」美術工芸部門に出品されました。金井さんに作品に込めた思いやこだわった点を聞きました。(文・写真 野村麻里子)

ドイツ留学で心に残った川辺の風景

―うっとりするような美しい港の夜景ですね。これはどこを描いたのですか?

ドイツ・フランクフルトで実際に見た景色です。マイン川に架かるアイゼルナー・シュテグという鉄の橋、ビル群、川の水面を描きました。

ドイツの川辺の風景を描いた金井さん

―実際にドイツに行かれたのですね。

1年前に短期の語学留学に行き、友達と街中を歩いたんです。一番心に残った景色を題材に選びました。日本時間だと夜なのですが、ヨーロッパは日が長く、美しい夕暮れが広がっていました。

―キラキラした水面が印象的です。

はい。川の水の反射が本当にきれいで……。高校2年の10月から絵を描き始めたのですが、水面の描き込みが提出期限に間に合わなくなりそうで、締切前々日には20時間ぶっ続けで描き、前日も6時間描きこみ無事絵を提出のために配送したんですよ。

いくらでも描き込み続けられる

―ち密に描き込みを重ねたのですね。

私は性格的にちゃんと描きたくって……ビルは写真を見て細かいところまで似るように頑張りました。水面との間の暗闇もよーく見ると舟がいます。これも実際の風景を再現しているんです。

暗闇の中の舟もていねいに描いた

―どこが難しかったですか?

橋の影と光を分けて表現する部分です。完成して絵を見て、中央のビルと水面の反射の部分は特にうまくできたなと思いました。

―油絵の魅力は?

色を重ねていけるので、修正もできるし、味も出てくる。描き込めば描き込むほど楽しくなるんです。自分は小さいころから絵が好きで、長時間かかっても嫌になることはないし、頑張れます。この絵の完成へも相当時間をかけました。