みなさんは「自閉スペクトラム症(ASD)」にどんな印象がありますか? 私は小学生のときからコミュニケーションが苦手で、周囲から孤立しがちでした。周りの人にどう関わってほしいのか、当事者の私が思ったことをまとめました。(高校生記者・ふわめ=3年)

コミュニケーションが苦手

ASDは、簡単に言うと「コミュニケーションが苦手」「こだわりが強い」といった特性を持つ発達障害です。「対人関係を築くのが苦手」「他人の感情に気づかない」などさまざまな症状が見られます。

周りの話し声が気にならないようにするために使うイヤホン

私は「感情のコントロールができない」「コミュニケーションが苦手」「人の話し声に敏感」などの特性が強いです。

ASDと診断され「ホッ」

高1の7月から2週間に1度、現在は月に1度精神科に通っています。今年2月、以前から気になっていた自分の精神疾患名を医師に聞いて、ASDだと診断されました。「私はASDなのではないか」と思っていたので、診断を聞いたときはホッとしました。

暇なときに読んでいる本

振り返ると、小学校高学年から学校では一人でいることが多かったです。その頃は「なぜ自分は孤立してしまうのか」が理解できず、さらに自分だけの世界に入り込んでしまっていました。小・中学校の休み時間はいつも一人で本を読むのが日課でした。今もですが、会話ではしゃべるタイミングが分からず、スムーズに話が進みません。「なんで自分はこんなにコミュニケーションが下手なんだろう」と落ち込んだ日もありました。

そんな時に「ASD」と診断され、「ああ、自分が悪くて対人関係が築けていないわけではないんだな」と安心しました。私にとっては「障害に身を委ねてみること」が落ち込まないコツなのかもしれません。

一緒に対策を考えてほしい

以前より改善されてきたように感じますが、まだまだASDなど発達障害は周囲に理解してもらえない部分もありますし、関わり方が分からない人もいると思います。そんな時は、特性を理解して関わってもらえると助かります。

例えば「会話でのコミュニケーションが苦手」な人には、紙に書いて整理してやりとりをしてもらいたい。「感情のコントロールが苦手」な人には、気持ちが落ち着くまで優しく見守っていてほしい。特性を具体的に知ってもらった上で、事前に一緒に対策を考えてもらえるとうれしいです。