私は生まれつき右耳が難聴です。私が生活している上で大変なこと、みなさんに伝えたいことを紹介します。(高校生記者・コスモス=2年)
ペアワークの声が聞こえない
私は右耳がほとんど聞こえません。耳鳴りやめまいなどはなく、日常生活にはあまり支障はないのですが、学校生活を送る上で大変なこともあります。
例えば、ペアワークです。私は左側にいると、ペアの人の声を聞き取るのに苦労します。何度も聞き返すこともあります。特に、マスクをつけていて口の動きが分からないとき、相手が話しているのかも分からないことがありました。
私は友達には、右耳が聞こえないことを話したことがありません。言うタイミングが難しいし、相手の反応を見るのが少し怖いからです。しかし、私がよく右側にいるので、いつも一緒にいる子は気づいてくれているのか、左側にいてくれます。そういう気遣いがすごくうれしいです。
姉の一言にショックを受けて
一番つらかったのは、姉に言われた一言です。寝ているとき、聞こえる方の左耳が下になってしまったため、目覚まし時計のアラームが聞こえないことがありました。その際姉に、「左側を向いて寝ていたら、いつもアラームを止めないよね」と言われました。
悪気はなかったと思いますが、片耳が難聴であることを知っている姉に言われショックでした。そのとき、「実際に経験しないと分からないことなんだな」と感じました。
電話のときに大変なこともあります。聞こえる耳と利き手が同じ左なので、電話中のメモが大変です。電話中に話しかけられても気づくことが難しいです。
「片耳が聞こえれば大丈夫」ではない
「片耳が聞こえるなら大丈夫でしょ」と思う人もいるかもしれません。しかし、聞こえないことで相手に無視されたと思われるのではないかと不安になったり、一生懸命聞こうとして疲れたりすることがあります。
私はこの経験から、つらい思いをしている人に寄り添える人になろうと思いました。私のようにひそかに苦労している人が生きやすい社会になることを願っています。