あらゆる学問を横断して学ぶ社会学部は、どんな人に向いているのだろう。一橋大学社会学部長の秋山晋吾先生に、社会学部に向いている人や、高校時代に学んでおいた方がよいことを聞いた。(野口涼)

全ての学びが社会学部につながる

―どんな興味・関心を持った高校生が社会学部に向いていますか?

社会学部のカリキュラムは、人間や社会に関心がある高校生には非常に合っていると思います。LGBTやグローバル化といった最近のトピックスについても、入学時点である程度知識を持ち、授業でしっかり反応してくれる学生が多い印象です。

―高校での勉強はどのように社会学と関連しますか?

自分たちが受けている教育を客観的に見ることを含め、高校での学びは例外なくすべてが社会学部での学びにつながっています。例えば、一橋大学の社会学部は大学入学共通テストの理科の配点が高いことが特徴です。それは、例えば宇宙開発や原発に関する社会現象を研究したいと思ったときに、科学的な原理や法則に関する知識が必須だからです。

「男性はこうあるべき」「女性はこうあるべき」といった社会的または文化的につくられた性差、「ジェンダー」についても同じです。ジェンダーに関する社会問題に関心を持つと同時に、生物学的な知識も身に着けている必要があります。

ニュースにアンテナを張ろう

―社会学部を目指す高校生にアドバイスをお願いします。

日々のニュースにアンテナを張ろう

社会に関心を持ち、日々のニュースにアンテナを張ることで、社会のさまざまな出来事に関する引き出しをたくさん作っておいてください。社会に対する幅広い眼差しとしっかりとした知識を身につけたいと考える皆さんの入学を期待しています。

 

 

秋山晋吾(あきやま・しんご)

一橋大学社会学部長・研究科長。1990年四日市南高校(三重)卒業、95年筑波大学第三学群国際関係学類卒業。98年千葉大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。ハンガリー・デブレツェン大学大学院留学を経て、2004年千葉大学大学院社会文化科学研究科博士後期課程修了。14年から一橋大学大学院社会学研究科教授、23年4月から現職。専門はヨーロッパ史、東ヨーロッパ地域研究。