クラス企画のBGMやダンスの発表……文化祭と切っても切り離せない存在である音楽。使用する際は、誰かに許可を取る必要はあるのだろうか? 文化祭で音楽を使用する際によくある疑問を、学校著作権ナビゲーターの原口直さんに聞いた。(安永美穂)

この記事のポイント

・音楽を流すには「3つの条件」を確認

・録音、録画は注意が必要

・ダウンロードは各サービスの規約を確認

学校での著作物の利用

こちらの記事でお話ししたように、「作品は作った人のものである」ことを示す権利が著作権です。ただし著作権法においては、学校の「授業内」で著作物を利用する場合は、無許諾かつ無償で使用することが例外的に認められています。その際も使用方法によっては著作権侵害にあたることもあるため、注意が必要です。

3つの条件を満たせば許諾は不要

―学校全体やクラス企画のBGM、ダンスの発表などで音楽を流す場合、著作権者の許諾が必要な音源や、流せない音源はあるのでしょうか?

「入場料をもらっていない」「出演者や演奏する人に報酬を支払っていない」「営利を目的としたものではない」という3つの条件を満たしていれば、著作権者の許諾を得ずに音楽を流しても問題ありません。

文化祭で音楽を流せる3つの条件

ただし、発表の様子の録画・録音を学校のホームページや個人のブログ・SNSなどで公開する場合や、クラスメートや部員にDVDを配ることを前提として録画・録音を行う場合は、著作権者やレコード会社、演奏者の許諾が必要です。

ダウンロードは各サービスの規約を確認

―CDやサブスクリプションサービスで配信されている音源や、YouTubeにアップされている音源は、それぞれ著作権者の許諾なしに文化祭で流しても問題ないか教えてください。

CDやダウンロードが認められているサービスで配信されている音源であれば、著作権者の許諾を得ずに使用しても問題ありません。ダウンロードの可否については、サービスごとに規約が異なるため、各サービスの利用規約に従ってください。

YouTubeは事前の許可なく動画をダウンロードすることを利用規約で禁止しているため、音源を活用するために動画を無断でダウンロードすることは規約違反です。中には違法にアップロードされた動画が紛れている可能性もあり、違法にアップロードされたものであることを知りながらダウンロードすることも違法となるため注意しましょう。YouTubeプレミアム等の有償サービスも利用規約に従ってください。

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原口直(はらぐち・なお)さん 
学校著作権ナビゲーター、東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー。学校の著作権について解説するウェブサイト「原口直の学校著作権ナビ」(https://maruc.work/)、「原口直の一歩先ゆく音楽教育」(https://makiba.work/)を運営。学校を訪問しての出前授業や教員研修も実施している。