なんとなく「生きづらい」感じがする。ふと、そう思うことはありませんか? 人間関係、自分の心や身体のこと、勉強のこと、将来のこと。いろんな不安が渦巻くとき、その生きづらさを少しだけ和らげてくれる本があります。年間約100冊を読む、読書大好きな私がおすすめの5冊をご紹介します。(高校生記者・桜いをり=2年、価格は税込)

生きづらさを感じる人に読んでほしい本

悩める10代の心と身体を学ぶ

『10代のための疲れた心がラクになる本』(長沼睦雄著、誠文堂新光社、1430円)

十代が抱える生きづらさの正体と、行動と気持ちの変え方が分かりやすく説明されている本です。

自分の心や身体の不調について知るために読むのはもちろん、病気や障害への理解を深める入門書としてもオススメです。生きづらさは、自分の心と身体のことを理解し、ちょっとマインドや行動を変えるだけで軽減することができる。そんなことを気さくに教えてくれる、悩める十代に優しく寄り添う一冊です。

自信を持てないときに開いて

『心の持ち方』(ジェリー・ミンチントン著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、1350円)

生き方のヒントになる言葉がたくさん詰まった、「自尊心」について考える一冊。人生をより楽しく、より豊かにするためのアドバイスが凝縮されています。

壁にぶつかったときや、自分に自信がもてないときに開くと、「あなたには人生を楽しく生きる権利がある」と教えてくれます。中学生のときに国語の先生に教えていただいて読んでから、ずっと私のお守りになっている本です。

傷ついたすべての人の心に寄り添う

『かがみの孤城』(辻村深月著、ポプラ社、1980円)

不登校の少女・こころが、鏡の中の不思議な孤城で自分と似た境遇の少年少女に出会う、青春ファンタジー小説です。なぜ孤城に少年少女が集められたのか、彼らを集めた狼面の少女は何者なのか、そんな数々の謎が張り巡らされ、ページをめくる手が止まりません。

十代の心情が克明に描かれており、傷つき、生きづらさを抱える全ての人の心に寄り添うような、深い優しさのある一冊です。

自然と元気が湧いてくる

『雨の降る日は学校に行かない』(相沢沙呼著、集英社、1430円)

女子中学生を主人公にした、6編から成る連作短編集です。スクールカースト、保健室登校、SNSなど、等身大の悩みと息苦しさに、そっと寄り添ってくれるような一冊になっています。どの短編も、分厚い雲の隙間から差し込む光のような、柔らかな希望を感じられるお話ばかりです。

私は、苦しいときにこの本の登場人物たちのことを思い出すと、自然と元気が湧いてきます。

どんな悩みも小さいことに思える

『思わず考えちゃう』(ヨシタケシンスケ著、新潮社、1100円)

『りんごかもしれない』などの絵本で知られるヨシタケシンスケさんのエッセーです。ヨシタケさんが日常の中で描いたスケッチについて語る、クスッと笑えて深く考えさせられるような一冊になっています。自分のことについて、周囲のことについて、「思わず考えちゃう」ことを肯定してくれます。

どんな悩みも小さなことのように感じさせてくれる、ヨシタケさんの軽妙な語り口が癖になります。