みなさんはお気に入りの作家はいますか? 私は原田マハさんです。原田さんの本に出合ったことで、私はたくさんの良い影響を受けています。どんな変化があったのか、お伝えします。(高校生記者・もりよ=2年)

「大丈夫」と思わせてくれる救いの本

中学1年生の時に司書に勧められ、小説『本日は、お日柄もよく』(原田マハ著、徳間文庫、税込713円)と出合いました。主人公の二ノ宮こと葉は、思いを寄せていた幼なじみの結婚式に参加。伝説のスピーチライター・久遠久美のスピーチに心を動かされたこと葉は、久美のもとに弟子入り。その中で、こと葉は「言葉の魅力」を知っていく……というあらすじです。

この小説から、原田マハさんのとりこに

こと葉はとてもカッコいい女性で、読んですぐ私の憧れの存在になりました。小説で紡がれている言葉がとてもすてきで、読んでいて心がほっこりポカポカに。特に、「三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。」というフレーズに何度も心を救われました。

つらい、うまくいかないことがあったときに、この言葉を思い出すと「大丈夫」と思わせてくれます。とにかくこの作品に胸打たれ、これをきっかけに原田マハさんの他の作品も読むようになりました。

私も主人公のような経験がしたい

原田さんは、『暗幕のゲルニカ』(原田マハ著、新潮社文庫、880円)『美しき愚かものたちのタブロー』(原田マハ著、文春文庫、891円)など美術を題材にした小説を多く執筆されています。美術作品を紹介するようなものではなく、人間模様を描いており、美術に対して素人でも感情移入しやすく、作品にのめり込むことができます。

原田マハさんの影響で美術館に行くようになった

そして何より、登場人物たちの多くは美術に魅了されています。『暗幕のゲルニカ』の主人公・八神瑤子は、幼少期にピカソの「ゲルニカ」に心を奪われ、その絵の前から動けなくなるのです。そして大人になり、キュレーターとしてピカソを研究。彼女はピカソに突き動かされているのです。

私は何かに魅了されて立ち尽くしてしまった経験がないため、人生を変えてしまうようなものと出会えた瑤子がとてもうらやましくなりました。そこで、美術の知識が豊富にあるわけでも感性が豊かなわけもないですが、「私も人生を変えるような絵画と出会えるかもしれない」と美術館に行くようになりました。

残念ながら、いまだに自分に雷が落ちるような絵画には出会えていません。それでも、美術館に行くと毎回ワクワクした気持ちになり、気づけば美術館という空間がとても好きになっていました。読書によって、趣味が増え、新しい世界を知るきっかけになりました。あなたも原田マハさんの世界に浸ってはいかがでしょうか。