シュートを打つ副将の福田友貴(3年)。全国選抜では守備の要として活躍した

 

3月に行われた全国高校ハンドボール選抜大会で初優勝に輝いた法政二(神奈川)ハンドボール部。夏の全国高校総体(インターハイ)、秋の国体も制する「高校3冠」を目標に掲げるチームは、体づくりに力を注ぎながら日々の練習に励んでいる。(文・写真 青木美帆)

主将の明るさが部を先導

悲願だった初優勝を果たした法政二。同大会で3年連続3位に甘んじ、昨夏のインターハイは出場すらかなわなかった。さらに主将の藤田龍雅(3年)ら4選手は、小中学校時代もあと一歩のところで全国優勝を逃している。

選抜大会決勝は、試合終了時間を5分ほど残して勝利が確定的なスコアになり、ゴールキーパーの高橋海(3年)はこらえきれず涙を流し始めた。味方ベンチからは「まだだぞ!」というエールが送られた。

取材訪問日、部員たちはフルパワーでトレーニングやゲームに打ち込んでいたが、その表情は絶えず明るかった。次の試合まで間が空き息抜きの時期なのかと思ったら関東大会の3日前。「全国大会前はもっと集中力が増しますが、基本はいつもこんな感じですよ」と藤田が笑う。阿部直人監督は「何事も楽しむことが一番大切。ハンドボールが楽しくて仕方がない藤田の明るさにつられて積極的な選手が多いです」と今年のチームの特徴について話す。

厳格に体重管理

華麗なシュートの印象が強いハンドボールだが、シュートに至るまでの身体接触が非常に激しいスポーツでもある。全国の強豪校と比べて体のサイズが小さい選手の多い法政二は、そのハンディを補うべく体づくりに長い時間を割いている。火曜日の練習はウエートトレーニングとランニングのみ。普段の練習でも、ランニングや腹筋運動などが随所に組み込まれている。体重管理も厳格で、練習前に体重を測定し、身長マイナス100キロ周辺をキープできるように各自が工夫を凝らしている。

次の目標となるのはインターハイ。藤田は「どのチームもうちを目標に向かってくるはず。それに打ち勝てるようにしないと」と追われる立場の難しさを予想する一方、「ルーズボールへの反応など、疎かにしがちなところを窮めていけば、絶対に負けることはない」と、大きな自信ものぞかせた。

【部活データ】 1950年創部、部員35人(3年生19人、2年生9人、1年生7人)。チームスローガンは「Challenge」「ALIVE」「Special thanks」。藤田は選抜大会で得点王になり、U-19日本代表候補にも選出されている。