第42回全国高校ハンドボール選抜大会が3月23~29日、千葉県と埼玉県の各地で開催された。男子は香川中央(香川)が9年ぶり3回目の優勝を果たした。女子は明光学園(福岡)が創部5年目にして日本一に輝いた。(文・写真 小野哲史)

相手マークの厳しい最前線のポジションで力強いプレーを見せた中園愛子

明光学園(福岡)は九州ブロックを堂々の1位で突破。ただ、全国大会ではここ3年間、必ず4強以上に残りながら頂点には届いていなかった。「先輩と臨んだ去年のインターハイは3位。それが悔しくて私たちの代は『絶対に全国制覇をしよう』と心に決めていた」(主将の柿添まどか・3年)

中園愛子(3年)は「どんな隙間にもパスが来たらシュートを決めて、チームの流れを作るのが自分の役目」と、マークが厳しい最前線で体を張り、大会を通じて最多得点を挙げた。決勝でも相手の流れになりかけた後半、GK柿添を中心に必死にゴールを守り、中園らの3連続得点で再び相手を引き離した。

息抜きにお菓子作り

チームの持ち味は、固い守備からの速攻だ。「(強みを磨くために)走り込みやひたすら繰り返す攻防練習など、地味にきつい練習が結構あった」(柿添)。苦しい時間は「日本一になる」という思いを原動力に乗り越えた。たまの息抜きには、みんなでお菓子作りに取り組んだ。

目標は、インターハイと国体を合わせた3冠だ。「今大会では後半に失点が増えてしまう試合が多かったので、その課題を修正して、もっと強い明光を見せられるようにしたい」(柿添)

 
【TEAM DATA】
2014年創部。部員20人(3年生14人、2年生6人)。主な実績は全国高校総体(インターハイ)16年準優勝、18年3位、全国選抜17年3位など。スローガンは「覇者となれ 一瞬の戦いを、一生の記憶に」