洛北(京都)女子ハンドボール部は今年、全国高校選抜大会、全国高校総体(インターハイ)ともに3年連続26度目の出場を果たし、両大会で8強入りを果たした強豪だ。新チームは、9月下旬に発足したばかり。得点力を上げるため、連係プレーを磨く練習に励んでいる。(文・写真 木和田志乃)

全国大会では僅差で敗れることが多く、得点力向上が課題だ。そのため、ポストプレーとシュートの練習に時間を割く。「ゴールエリア付近でディフェンスとディフェンスの間に入ってプレーするポストプレーヤーとの連係プレーが特色です」(納塚真央・3年)

シュート練習

バウンド、ループ、フェイントなど目的を持って練習。速攻練習の待ち時間に自主的に壁に向かってシュート練習をする選手もいる

ポストプレーの練習

相手のディフェンスの動きをブロックし、反転して自らシュートを打つ。ポストは洛北で鍵となるポジションであるため、全員が練習する

 

ノーマークの状態をつくる

練習では、2対2、3対3から6対6と人数を増やす。いずれもバックプレーヤーがシュートを打ちやすいように、ポストがディフェンスをタイミングよくブロックする。逆にバックプレーヤーのマークが厚くなったときには、ポストが動いて自分でシュートする。主将の大樋歩希(2年)は「ノーマークに近い状況をつくって、得点の取れる確率が高いプレーを意識している」と言う。

バックプレーヤー3人が、ディフェンスと駆け引きをしてパス回しをする場面。ノーマーク状態をつくるため、ディフェンスが寄せてくる前にタイミングを計り、ボールを持ってから短いステップでシュートを打っていた。納塚は「腕を高く上げて、下に振り下ろす意識が大切」と、シュートのポイントを後輩に伝えていた。

選手の数が増えるほど、スピードが増し、当たりも激しくなる。「2点先取すると交代する」ルールを設け、点を取らなければ休めない状況をつくり、自分でシュートを決める意識を高めている。

6対6

3チームが交代で行う。ボールを持った選手はこの後、左側の選手にパス。より確実に点の取れるプレーを選択した

 

「次のプレー」を意識

ハンドボールは攻守の入れ替わりが激しいため、常に次のプレーを意識することが大切だ。「ミスしたらディフェンスに速く戻る。相手選手のマークに付いた味方が相手に抜かれても、すぐポジションチェンジして守れるように徹底しています」(大樋)

選手は「全国4強入りのチームは、当たりもシュート力もフットワークも自分たちとは全然違う」と危機感を持ち、弱点を連係プレーでカバーする練習を日々積み重ねている。

取材日の練習の流れ

   14:20
ウオーミングアップ、ステップ練習
   15:00
ディフェンス練習
   15:40
キーパー練習
   16:00
2対2~6対6の練習
   18:40
シュート練習
   18:50
トレーナーによる筋トレ指導
   19:00
ミーティング
   19:05
練習終了
 
【TEAM DATA】
1967年創部。部員26人(3年生9人、2年生10人、1年生7人)。平日は毎日練習、週末は大会や練習試合。月曜朝は学校内外を清掃。全国大会の優勝は高校選抜大会3度、インターハイ8度。モットーは「今、この瞬間に全力をつくせ!」。