小説を読んで心が救われる経験をすること、ありますよね。今回は将来やりたいことに迷いを持っている高校生記者のなずなさんが、同じように進路選択に悩む高校生におすすめしたい小説を紹介します。

将来が決まらない女子高校生が謎解き

『手のひらアストラル』吉野泉著(創元推理文庫、720円=税抜

将来の決まらない女子高校生の主人公がさまざまな謎と出会い、Q大学の大学院生とともにその謎を解くことを通して、自分の将来についても考えていくという物語です。

主人公の前に現れる謎が解かれていくときには爽快感があります。自分で答えを推測しながら読み進めることもできるので、とても面白いです。最後には大学院生の謎も明らかに……?

『手のひらアストラル』吉野泉著(創元推理文庫、720円=税抜)

自分と同じ高校生の目線で物語が進んでいき、多くの高校生が突きあたる進路という問題に主軸が置かれています。なので、とても読みやすく、あっという間に読み進められてしまいます。

何を選び、どう進むかは自分次第

私と主人公はとても似ています。高校2年生であること。漠然と大学に行きたいと思っているが、やりたいことが明確には見つからないこと。はっきりと目標を持った友人の話を聞いて焦ること。

私は主人公にとても共感でき、親近感が湧きました。将来が決まらないけれど、ゆっくりでもいいから自分の道を切り開いていこうとする主人公の姿に、とても励まされました。何を選び、どう進むのかは自分次第。選択にそもそも正解などあるのかわからない。でも、自分の感じたように、思うように進んでいこうと思える1冊でした。

また、高校で習う化学や数学の用語が時々出てくるので、ちょっとうれしかったです。

進路選択に悩む人へ

進路について悩んでいる高校生もたくさんいると思います。この小説では、登場人物がそれぞれの理由で各々の道を進んでいきます。もしかしたら、この小説が進路に一つのヒントをくれるかもしれません。(高校生記者・なずな=3年)