高校生世代はどう熱中症を防げばよいのか。熱中症や救命救急治療に詳しい清水敬樹先生に聞いた。

ボーっとしたら要注意

高校生世代は、スポーツなどで体を動かしたりするときになりやすい。自覚症状はめまいや立ちくらみだ。ボーっとした状態になったら熱中症を疑おう。一方、クーラーのない室内などでじっとしていても、熱中症になるケースがある。

どちらの場合も「顔が真っ赤になる」「異常に汗をかく」「みんなが汗をかいているのに一人だけかいていない」といった症状があったら要注意。家族や友だちの異変に気付いたら、積極的に声を掛けてあげよう。

症状があったら涼しい場所に移動し、水を飲ませる。このとき、水筒やコップを自分で持って飲めるかどうかで、病院に搬送する必要の有無を判断する。自力で飲めない場合は迷わず救急車を呼ぼう。

部活の練習、無理は禁物

熱中症になりやすいのは太っている人。皮下脂肪が厚く体内の熱が逃げにくいからだ。一方、運動部では部長やキャプテンなどが責任感から無理をしてしまい、病院に運ばれるケースも多い。「トレーニングに無理があると感じたら、たとえ先生やコーチに対してであっても『つらい』『暑いから休みを入れたい』と遠慮なく言えるような環境作りを心掛けてほしい。部員全員で声を上げられるように気を配りましょう」

意外な場所で熱中症になることもある。高校生世代では、夏フェスやライブなどのイベントに行くことが多いだろう。並んで待っているときに、熱中症になることがある。また、「水辺だから大丈夫」だと油断しがちな海やプールにも注意。水から出たら、できるだけ日陰にいるようにしよう。

暑ければ暑いほど熱中症になりやすいと思いがちだ。だが、湿度が高い梅雨の季節や、梅雨明けといった体が暑さに慣れていないときほど気を付けたい。

普段から体調を整えよう

対策はなんといってもこまめな水分補給。高校生なら水や麦茶で十分だが、激しいスポーツで大量の汗をかく場合は塩分も必要だ。おすすめは、同量の水で薄めたスポーツドリンク。なければ水を飲みながら塩をなめるだけでも効果がある。「体調を整えるのが熱中症予防の基本です。よく寝て、よく食べよう」 (野口涼)

 
 

清水敬樹先生

しみず・けいき 東京都立多摩総合医療センター 救命救急センター長。日本救急医学会の熱中症および低体温症に関する委員会委員長を務める。