栄光学園高校の生徒たち。OBの応援に支えられたという

高校生が数学や理科学の知識や技能を学校対抗で競う「第7回科学の甲子園全国大会」(科学技術振興機構主催)が3月16日から19日まで埼玉県で行われた。栄光学園高校(神奈川)が初の総合優勝に輝いた。

同校は全国大会7年連続出場。物理研究部員を中心とした8人が参加した。出場するメンバーが「大会よりも厳しい」と語る、2度の校内選抜試験を経て選ばれた。

県大会突破後の昨年11月からは週1回、過去問題を解く勉強や、実験演習に励んだ。キャプテンの千吉良洋介君(2年)は、考察に力を注いだ。「1つの問題に対し、頭の中でひらめいたことをしっかり文章で説明する練習を繰り返しました」。磨いた考察力は、本番でも発揮され、筆記競技で1位になる源となった。

昨年のリベンジ果たす

底抜けの明るさがチームの特色。昼休みにメンバーが自然と集まり、なにげない雑談に興じたことも彼らの絆を深めた。「本番でミスをして落ち込んだ時、みんなが明るく声を掛けてくれて、気持ちが楽になった」と、大島啓吾君(2年)は話す。

大会前に大会前に知らされる実技競技の機体製作に2月から毎日取り組んだ。2年連続出場となる大嶋俊之君(2年)は昨年、序盤で敗れた苦い経験を持つ。今回は工作のスペシャリストとして活躍した。大会5日前まで機体が一度も前に進まず、不安のまま競技に臨んだが、決勝3位の結果を残した。大嶋君は「今までで一番良い機体を本番で作れたんです。チームの勝利に貢献できた」と喜んだ。 (文・写真 中田宗孝)=学年は開催時