夫婦円満の秘訣は、互いに感謝を伝え合うことにある? 宇野蒼さん(千葉・芝浦工業大学柏高校3年)は夫婦関係を良好にするにはどうすればよいか研究した。

YouTubeで夫婦間の問題に興味

―夫婦関係をテーマにしたのはなぜですか?

中学3年生のときにYouTubeで助産師のHISAKOさんを知り、夫婦学や家族心理学に興味を持ちました。「いつか日本の夫婦間の問題について、多くの人が考えるきっかけを作りたい」と考えたことが、研究を始めたきっかけです。

3月に行われた「関東近県SSH指定校合同発表会」に参加した宇野蒼さん(写真・椎木里咲)

―研究の進め方を教えてください。

中学生、高校生の子どもを持つ9組の夫婦を対象に、次の実験を行いました。夫婦には10日間毎日1回「今日、パートナーに感謝したいこと」「子どもが産まれてよかったと思うこと、時」という2つの質問に答えてもらいます。

11日目以降、2つの質問に回答したことによって「互いの信頼を深め、子育てを肯定的にとらえることができるのかどうか」を把握するために、アンケートに回答してもらいました。

アンケート内容は5段階評価で「育児に対して肯定的な気持ちを持つようになったか」「今後も実験を行うことはより良い変化につながると思うか」、そして自由記述で「夫婦円満の秘訣」を答えてもらいました。

生徒からの質問にていねいに答える宇野さん(写真・学校提供)

感謝を伝えると夫婦仲が良くなる

―アンケートの結果は?

アンケートの結果は「育児に対して肯定的な気持ちを持つようになったか」が4.2、「今後も実験を行うことはより良い変化につながると思うか」が4.3となり、この実験は夫婦関係に良い変化をもたらすことが分かりました。

さらに、アンケートの余白に「日常の幸せを改めて感じる良い機会となった」などのコメントが見られ、夫婦関係や子育ての問題に正面から向き合うきっかけを与えることができたのではないかと感じました。

「関東近県SSH指定校合同発表会」で使用したポスター(写真・椎木里咲)

―今後は研究をどう進めていきたいですか?

子どもに手がかかる時期(未就学)の子どもを持つ親など、さまざまな条件で行いたいです。

助産師になって活躍したい

―研究した経験を、将来どう生かしたいですか?

私は将来、助産師の資格を取って病院や行政などで活躍できればと思っています。その中で、夫婦で話し合うことの大切さ、日常の幸せを感じる大切さについて多くの人に主張し続けていきたいです。