チームが最もこだわっているブロック練習。基本から徹底して確認し合う

全国大会の常連として知られる土浦日大(茨城)女子バレーボール部。「全国の女子チームの中で、間違いなくナンバーワン!」と選手が口をそろえるのは「基本を重視した豊富な練習量」と「ブロック」。徹底した練習を重ね、1センチ、1ミリの精度で体の使い方にこだわったブロックを武器に、全国大会での上位進出を目指す。(文・田中夕子、写真・幡原裕治)

抜群のチームワーク

練習メニューが変わるたび、選手全員で輪をつくり、「この練習では何が大事か」を事前に確認し合う。部員数は32人。決して少ない人数ではないが、全員がスポーツクラスに属しており、「普段から仲が良いのが自慢」と多くの選手が口をそろえる。

普段の練習中も積極的にコミュニケーションをとることで「上下関係もなく、全員が元気に練習できる。チームワークはどこにも負けない自信がある」と、主将の武井あさひ(3年)は胸を張る。

抜群のチームワークに加え、武器はブロックとレシーブ。同校OGで元Vリーグ選手の今村直美コーチが「できるまでやる、とこだわりを持って取り組んでいる」と言うように、2人一組で行う対人パスは種類が豊富。ブロック練習は、ステップから実戦に見立てた応用練習まで全てを含めて1時間をかける。

2人1組の対人レシーブもさまざまなバリエーションをつけて行う
練習中も選手同士で声を掛け合い、課題は全員で共有して解決する

選手同士でアドバイス

ブロック練習中、選手同士で「もう少し手を前に出した方がいいよ」などと声を掛け合う。全員が課題をクリアするまでアドバイスを送り続けて取り組む。エースの中島絵里香(3年)は「ブロックをする位置までの移動のスピードが速くなったのを試合でも感じる」と、練習の成果を口にする。

全日本高校選手権(春高バレー)には9年連続出場、今夏の全国高校総体(インターハイ)にも出場したが、初戦敗退を喫し、悔しさが残った。守備の要でもあるリベロの貝塚穂(3年)は「全国で上位になるために、毎日厳しい練習をしている。最後の春高は悔いが残らないように、32人で気持ちを一つに戦いたい」と力強く決意を述べた。

OGの今村直美コーチの熱心な指導。石崎吉宏監督同様、基本を重視する

ある日の練習の流れ

16:00
ウオーミングアップ
16:15
ダッシュ
16:30
パス
16:45
対人パス
17:25
ブロック
18:20
スパイク
18:30
コンビ
19:05
台上スパイクからの6対6コンビ
19:40
サーブ
19:50
メディシンボールを使ったトレーニング
20:00
練習終了
 

体づくりを大切に(石崎吉宏監督)

 

決して身長の高い選手がいるわけではない。飛び抜けた力があるわけでもない。そんなチームが勝つために、まず大切なのは「体づくり」です。また、ブロックにはこだわっていて、クロスステップの練習から、長い時には2時間近くをかけて取り組んできました。

1+1を2ではなく、3、さらにそれ以上の数字にするためには組織力を磨くことが大切。基礎にこだわり、理論を覚えて実践できる技術を身に付ければ、背の小さい選手がそろったチームでもさらに強くなるチャンスがある。地道にでも少しずつ進化することができれば、もう一つ、全国でも大きな山を越えられると思って、日々の練習に高いモチベーションを持って取り組んでいます。

 
【TEAM DATA】
1963年創部。部員32人(3年生8人、2年生11人、1年生13人)。インターハイ出場16回、春高バレー出場16回。ボール練習だけでなく、筋力強化のために週2日、ウエートトレーニングを取り入れている。