けがに屈せず躍動

今年1月、1年生ながらレギュラーメンバーの一人として春高を制し、今年度はエースナンバーの「1」をつける石川真佑(2年)。春高の時よりも、肩や背中が一回りたくましくなった。

「自分ではそんな感覚はないんですけど、確かに『デカくなった』とは言われます」1年以上取り組んできたトレーニングの成果が表れ、小川監督も「スパイクが力強くなった」と太鼓判を押す。

実は、都予選の直前に左足首を捻挫し、一時は試合出場も危ぶまれた。しかし「一番いいコンディションではなかったけれど、エースとして足を引っ張っちゃいけないと思って必死でやった」と、チームを優勝に導いた。

お兄ちゃんに負けない

エースとして見せる抜群の勝負強さやバレーセンス、そして顔をくしゃくしゃにして喜ぶ愛くるしい笑顔は、男子バレー日本代表のエースとして活躍する兄の祐希(中央大4年)によく似ている。少しはにかみながら、来るべきインターハイへの抱負と、描く未来の設計図を話してくれた。

「お兄ちゃんが世界で活躍しているので、負けないように自分も頑張りたいです。東京五輪も目指したいし、いつかは『石川祐希の妹』ではなく『石川真佑の兄』となるように。まだまだ足りないですけどね(笑)」

苦しいときは自分が決める。揺るがぬエースとして、チームを引っ張る覚悟だ。 (田中夕子)

いしかわ・まゆ 2000年5月14日生まれ、愛知県出身。長野・裾花中卒。裾花中で全国優勝を果たし、下北沢成徳へ進学。1年時からレギュラーとして試合に出場し、現在は2年生エースとして活躍。