何度もディフェンスを突破した松尾将太郎

全国高校ラグビー選抜大会の決勝が4月7日、熊谷ラグビー場(埼玉)で行われ、東福岡(福岡)が桐蔭学園(神奈川)を62‐10で下し、2年ぶり4度目の優勝を果たした。ウエートトレーニングで鍛えた体で圧倒した。 (文・写真 斉藤健仁)

モスグリーンの集団が、グラウンドを縦横無尽に駆け回った。決勝では10トライを挙げて桐蔭学園を圧倒。「パスで展開するだけでなく突破するのも好き」というSO松尾将太郎(3年)=福岡・木屋瀬中出身=が、30得点を挙げる活躍を見せた。
 2012年度までの同大会と、11年度までの全国高校ラグビー大会を共に3連覇した常勝軍団も、近年は全国の頂点から遠ざかっていた。昨年の選抜大会は決勝トーナメントにも進出できなかった。部員はその悔しさから、週4回ほどのウエートトレーニングを重ね、体を鍛えた。

「全ての大会で勝つ」
 決勝ではその成果が発揮され、随所に力強さを見せた。「ボールを展開できるのは、接点で勝つことができるから」と、藤田雄一郎監督は選手たちの成長に目を細めた。
 「東福岡に憧れて入った」と声をそろえる3年生たちは、入学後初の優勝に歓喜した。「目標だった」という日本一を達成したFL古川聖人主将(3年)=同・引野中出身=は「今年は出る大会全てに勝ちたい」と意気込む。3大会ぶりとなる花園制覇に向け、さらなるレベルアップを誓った。

【部活データ】
1955年創部。部員88人(3年生49人、2年生39人)。花園出場24回を誇る強豪。藤田慶和(早大)をはじめ、多くの日本代表選手を輩出している。愛称は「フェニックス」。