バドミントン女子シングルスで3連覇した山口茜

バドミントン女子シングルス決勝が8月11日、西山公園体育館(京都)で行われ、日本代表にも名を連ねる山口茜(福井・勝山3年)が斎藤栞(埼玉・埼玉栄)を2-0のストレートで破り、史上初の個人3連覇の快挙を成し遂げた。

この日、山口は女子ダブルスとシングルスの準決勝、決勝の計4試合を戦った。シングルス決勝は4試合目。疲労はピークに達していた。しかし「誰よりも試合をするぞ!」と意気込み臨んだインターハイ。弱音を吐いている暇はなかった。

 第1ゲームを21-19で先取する。続く第2ゲーム、ゲームポイントを最初に握ったのは斎藤だった。「ファイナルゲームにいく覚悟もできていた」という山口は、ここから本領を発揮。ネット前での積極的なプレーでポイントを積み重ねると、23-21で勝利。「負けられないと思っていたのでほっとしました」。安堵(あんど)の表情を浮かべた。

プレッシャーに負けず

国際大会でも活躍する山口。高校生の大会では、常に周囲から「勝って当たり前」と注目され、プレッシャーの中で戦ってきた。そんな中、小林陽年監督は「気持ちのコントロールは非常に難しいと思いますが、そこは自分でクリアにしてゲームに入っていく。プレー面もさることながら、そういった精神面の強さがすごい」と成長を評価した。山口も「最後まで諦めずにやれたところは成長。気持ちの面が、高校3年間で最も成長したところだと思います」と手応えをつかんでいた。

 今大会は、同時期に開催された世界選手権を辞退し、「高校最後の大会で、成長した姿を支えてくれた人に見てもらいたい」と出場した。地元・勝山の名を背負って臨んだ高校最後の夏。「最後にみんなと一緒に戦えてよかった。成長した姿や、感謝の気持ちを少しは伝えることができたかな」と笑顔を見せた山口。学校対抗で3位、ダブルスでも準優勝を果たし、完全燃焼で締めくくった。

(文・写真 石井宏美)

やまぐち・あかね
1997年6月6日、福井県生まれ。勝山南部中出身。中学3年だった2012年に史上最年少で日本代表入り。13年にヨネックス・オープン・ジャパンで日本人初優勝。世界ランキング10位(8月20日時点)。156センチ、55キロ。