いじめと聞いてどんなことをイメージしますか? 私は被害者が「苦しい」と感じたら、それはいじめだと思います。不登校を経験した私が考える「いじめ」について紹介します。(高校生記者・ray=2年)

悪口言われ仲間外れに

私は小学校高学年の頃にクラスメートとの人間関係で問題が起き、悪口を言われ仲間外れにされたため、不登校になったことがあります。暴力を振るわれたわけでも、脅されたわけでもありません。「相手もそこまでひどいことをしたという自覚はなかったのだろう」と今になって思います。しかし、当時の私にとってはとてもつらくて、学校に行けなくなりました。

不登校のころからずっと心の支えになってくれている愛犬

「いじめだった?」悩み消えず

一人で考える時間が多くなり、ある考えが思い浮かびました。それは、「自分が受けた行為はいじめではないんじゃないか」というものです。

世の中でいじめとして取り上げられているものには、暴力やどう喝、時には性的な加害もあります。それに比べて自分は、「悪口を言われて仲間はずれにされただけじゃないか」と思ってしまったのです。

「大したことではないのに休んでいる自分」への自己嫌悪と、心配してくれる両親への申し訳なさから、つぶされそうな気持ちを抱えて過ごしていました。学校の先生や親の支えもあり、なんとか小学校を卒業しました。

「被害者の苦痛」に注目して

中学に進学して学校に通えるようになっても、頭の片隅に「自分はずるいことをした」「おおごとにしてしまって相手に申し訳ない」という気持ちがありました。そんなとき、私の考えを大きく変えるネット記事に出会いました。端的に内容を言うと、心理カウンセラーの方が「いじめについて考える時は行為そのものではなく、被害者の苦痛に注目することが大切だ」というもの。私は、長年悩んでいたことが気にしなくてもいいことなんだと気づきました。

その記事には、「暴力を伴わないいじめをした人は、無自覚のうちに加害者側に回っていることがある」とも書いてありました。文部科学省は、いじめを「心理的又は物理的な影響を与える行為」と定義しています。相手が嫌だと思っていたら、それはいじめになるのです。

私自身、自分が「暴力を伴わないいじめに加担したことがない」と断言できるかわかりません。暴力を伴わないいじめは、私たちの回りにあふれているのでないかと思います。だから私は、今いじめを受けて耐えている人たち、無自覚にいじめをしているかもしれない人たちにこの記事が届けばいいなと思っています。

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