緊張して本番で実力が発揮できないこと、ありますよね。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに、読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた、「緊張して試合で勝てない」という悩みに答えてもらいました。

【お悩み】緊張して試合で勝てない

私はテニス部に入っています。部活では結構強くて、実力的にはレギュラーに入れるくらいです。しかし試合になると緊張して、普段は絶対に入れられるポイントなのにネットミスをしてしまうなど、全然勝てなくなってしまいます。

試合本番になるとミスを連発……

 

そのせいで、練習試合なら勝てる相手でも本番となると負けてしまい、レギュラーに入ることができません。どうしたら試合で勝てるようになりますか?(マカロン・中学2年女子)

緊張で身体が動きにくく

私たちは緊張すると、胸がドキドキしたり手が震えたりして、身体が動きにくくなります。スポーツをする時に緊張すると、うまく身体が動かず、思ったようなプレーができないですよね。緊張をほぐすために、深呼吸やストレッチをすることで緊張を和らげることもあります。

せっかく練習をしているのに、試合に勝てないのは悔しいですよね。マカロンさんが試合で実力を出すためにはどうしたらよいのか、一緒に考えてみましょう。

緊張の理由を探ってみて

まず、試合になるとなぜ緊張するのでしょう? マカロンさんが感じている緊張が、試合相手の雰囲気や周囲の声援など、自分の外側からきているものか、それとも「ミスしてしまうかも」という自分の内側からきているものか、その正体を知ることは大切です。

緊張の正体を探ろう

まず、あなたが何によって緊張させられているのか、振り返ってみましょう。少なからず影響しているのは、あなたの「勝ちたい」という気持ちです。勝敗なんてどうでもいい人は、緊張はしないはずです。勝ちたい気持ちだけは最後まで残しておいてくださいね。

気持ち切り替え自分に問いかけ

スポーツに限らず、私たちの行動には、ひとつのミスが別のミスを呼んでしまうことがあります。恐らく「しまった」という気持ちが影響しているのでしょう。そう考えると、試合で実力を出すためには、気持ちの切り替えが大事です。ミスしてしまったときは、次の行動を考えることに気持ちを向けましょう。「どうしたい?」「いま何ができる?」と自分に問いかけて、次の行動に意識を向けましょう。そのためにも、普段からいろんなパターンのプレーを練習しておいてくださいね。

集中力高めるルーティーン作ろう

一時期、ラグビー元日本代表の五郎丸選手が、ゴールキック前にするポーズが有名になりました。あれは「プレ・パフォーマンス・ルーティーン」といって、キックするまでの動作を正確に行うことに集中する方法です。

動作が細かく決まっていることが大事で、五郎丸選手もあの動作の最中は、決めた動作を正確に行うことしか考えていないと思います。「ルーティーン」を実行すると、それに続くパフォーマンスは成功するとスポーツの世界で言われています。プレーのときにマイナスなことを考えない工夫ですね。

マカロンさんも、試合での集中力を高めるための「ルーティーン」を作りませんか? 好きなテニス選手で参考にできることがあるといいですね。

プレーに集中するための工夫をして、試合で実力が発揮できることを期待しています!

大倉智徳さん

おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務

大倉さんに相談したいお悩みを募集します

編集部では高校生の読者のみなさんの「心の悩み」を募集しています。

どんなことで悩んで、何を知りたいか、今はどんな状況なのかをLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に送ってください。

メッセージの最初に「大倉さんへの相談」であることと、学年・性別・ペンネーム(希望者のみ。お名前・アカウント名は掲載しません)を明記してください。相談に回答できない場合もあります。記事で紹介させていただく場合は編集部から連絡します。

※記事にする際は、読者の方に読みやすく、分かりやすくするために、投稿の趣旨を変えない範囲で短くしたり、表現や表記を添削させていただく場合があります。