大学時代にバリスタとして起業し、卒業後は中高一貫校の社会科の教員になったT先生。バリスタから教員へ、どうしてまったく違う職種へ転身したのでしょうか。そのきっかけや、バリスタの経験がどう生きているかについてインタビューしました。(高校生記者・青=1年)

大学時代にバリスタとして起業

―先生がコーヒーを好きになったきっかけを教えてください。

中学生の頃からコーヒーは好きでしたが、特にのめり込んだのは高校卒業後です。早朝にキャンプ場で、丁寧に淹れたコーヒーを飲んだ時にとても美味しいと感じ……自分でコーヒーをいれたいと思うようになりました。

インタビューに答えてくれたT先生と私

―バリスタとはどんな仕事ですか?

コーヒーを淹れるほかにも、コーヒーショップの経営やコーヒーの販売などを行います。私は大学在学中に起業して、ショッププロデュースや講習会なども行いました。具体的には中小企業の休憩スペースを活用してドリップコーヒーを販売したり、その企業に勤める方々を対象にコーヒーの淹れ方のワークショップを実施したりしていました。

コーヒー通じ環境問題が「自分の問題」に

―今は社会科の教員ですが、なぜバリスタから教員になったのですか?

実は元々中高の教員になりたいと思っていて、大学も教員になる勉強をするために入りました。ですが、大学時代にコーヒーにどハマり。そこからバリスタとして起業して、コーヒー関連の職に就職したいと思ったこともありました。

SDGs研究会で販売しているフェアトレードコーヒー

でも、2050年には今以上に地球の環境問題が悪化するとされる「2050年問題」を知ったことがきっかけで、「このままでは今飲んでいるコーヒーの半分が飲めなくなってしまう」と知りました。

2050年問題を始めとする社会問題を「自分ごと化」するようになり、考えた結果「学校の教育から変えるべきだ」と思い、大学卒業後は教員になりました。自分も教員としてアクションを起こし、教員の立場から社会課題を解決する「チェンジメーカー」の若者を増やすことが、2050年問題を解決するために自分ができることだと感じています。

―バリスタの経験が教員に生きたと思ったことはありますか?

バリスタの経験は、自分が顧問をしているSDGs研究会を作る全ての元になっています。自分の夢は、チェンジメーカーの若者を増やすこと。生徒が主体的に活動するSDGs研究会には、自分がかなえたかった夢の全てが詰まっています。

【取材後記】自分も「好き」を生かした仕事に就きたい

私は高校生になって進路について考えることが多く、どんな大学や学部を選ぶべきか、どんな仕事に就きたいか悩んでいました。しかしインタビューをして、自分の好きなことややりたいことを生かした仕事をしたいと改めて感じました。