国際協力特別賞

小さな一歩を踏み出そう~今私たちにできること~

札幌聖心女子学院高等学校 2年 福本 あめり

新型コロナウイルスが蔓延する苦境に直面する中、私が通う学校では積極的にオンラインを活用してSDGsの目標達成に向けて国内外のプログラムに参加し課題解決に向き合っています。また日々の授業を通してSDGsに対する認識を深め、同じ志をもつ仲間と共に国際協力にも取り組んでいます。

私は2021 年度グローバルユース国連大使として春から日本各国の高校生とネットワークを利用してSDGsのゴールに沿って意見を交わし、普段伺うことができない貴重な講話を聴き、実り多き時間を過ごしています。またミャンマー・カンボジア・インドネシア・南アフリカなど世界中の高校生と英語で交流をすることで、お互いの文化や価値観への理解を深めています。特に印象的だったことは、日本の高校生以上に外国に住む高校生はSDGsに対する関心度も高く、「世界を変えたい! よりよくしたい!」という思いが強いことです。今回出会った仲間に鼓舞され、私も高校生としてできることを行いたい、小さな一歩を踏み出したいと、意識改革をするきっかけとなりました。

皆さんはSmile by waterという取り組みを知っていますか?この取り組みは私が参加しているグローバルユース国連大使が主催しているJCI(日本青年会議所)が主体的に行っている活動です。先日、現地に住むカンボジア人の方からカンボジアの子どもたちの驚くべき現状を伺う機会がありました。私たちが住む日本では食事をする前に手を洗います。また外出先から帰宅したら手洗いをします。手洗いをすることは当たり前のことであり、物心ついた時から手洗いの習慣は身につき定着しています。しかしながら、カンボジアでは力強い日差しの下で遊んだ後も手洗いをすることが習慣化されていません。農村部のカンボジアの子ども達は日本の学生ほど教育を受けている子どもの割合が高くありません。その結果、幼少期の子ども達も手を洗わなかったら手に付着したウイルスが口や鼻を通して体内へ入る恐れがあり衛生的に悪く感染症を引き起こす可能性が高まることも、周知されていません。日本とカンボジアの衛生環境や教育環境を比較しても日本の高校生が置かれている状況がどれほど恵まれているとかということ、また教育を受け正しい知識を得ることの大切さを改めて痛感しました。そして当たり前に教育を受けられることや水が惜しみなく使えることは、当たり前のことではなく感謝しなければならないことであることを忘 れてはならないと思いました。

現在、私はカンボジアの子どもたちに向けて手洗いの習慣化と重要性を伝えるための啓発活動を展開しています。都市部に住む子ども達は英語も理解できますが、農村部に住む子供たちは英語を学ぶ機会もなく英語を読むことができない教育環境で生活しています。また日本の高校生はクメール語が理解できないため意思疎通が難しいという問題を抱えていましたが、啓発効果の見える分かりやすい絵をデザインして手洗いを表現しているデザインのTシャツを作成して寄贈する予定です。またメッセージ性のある動画を送ってカンボジアの子どもたちに視覚的に分かりやすく伝えることにも努めています。この取り組みは私たち高校生とカンボジアの子ども達が遠く離れていても心一つに繋がって近くに感じることができるという気持ちを抱きました。まだ取り組みは始まったばかりですが、一人でも多くの子供たちに手洗いが当たり前にできる環境が浸 透・改善され、手洗いの習慣が伝わって欲しいと切に願うばかりです。そうすれば、カンボジアの子ども達の健康が保障されます。世界中に住むすべての子ども達が平等に健康で生活できるためにも高校生ができる国際協力をこれからも積極的に取り組んでいきたいです。そしてこの現状を変えるためにも私は課題解決に向けて一人でも多くの人にカンボジアの現状を伝えていきたいです。