優秀賞

I love chocolate, and I choose chocolate

宮崎大学教育学部附属中学校 3年 伊東 万葉

私はチョコレートが好きだ。コンビニやスーパーでよく買う。先日、雑貨屋で高いチョコレートを見かけた。400円もしたので、買わなかった。それからしばらくしてテレビでそのチョコレートが出ていた。それは『フェアトレードチョコレート』というらしく、購入することで自分も他人も幸せになれる、と言っていた。興味があったので買いに 行ったところ、「売り切れました。次の販売は秋です。」と言われた。ネットでそのチョコレー トを買おうと思って探していたら、「児童労働」という言葉に出会った。

それから、動画やネット、本を借りて調べた。チョコレートに使われるカカオの実は多くが子どもたちによって収穫される。それは、子どもの方が賃金が安くて済むこと、カカオの木は低くて子どもは収穫しやすいからだと書いてあった。動画では4 歳くらいの子どもが自分の顔と同じくらいの実を背伸びをして収穫していた。親も同じ農園で仕事をしているが、賃金が安く、親の給料だけでは家族全員が食べていけない。子どもたちは学校にも行かず、家族を助けるために働いている。このような状態を改善するために、適正な価格で取引をして作られるのはフェアトレードだ。

その後、スーパーに行ってチョコレート売り場へ行き、調べてみた。すると84 種類のチョコレートがあった。そのうち、フェアトレードは3種類。少し離れたスーパーにはおしゃれな商品がたくさんある。そこには76種類のチョコレートがあったが、フェアトレードは0だった。お店の人にお話を伺ったところ、「フェアトレードは難しいんです」と言われた。扱っている会社が少 なく、賞味期限も短い。また、普通の商品より高い上に、小さな会社が多く、売れなかった場合、返品ができず、スーパーとしてはリスクが大きいとのことだった。以前行った雑貨屋にも問い合わせをしたら、同じような答えが返ってきた。だから、雑貨屋では売り切れるだけの量だけを仕入れ、無駄を減らし適正な価格を保っているということだった。私たちは、「安い」という言葉に弱い。安く売るためにお店にはたくさん仕入れ、安く売る。しかし、安いことの裏側で搾取されてる人がいる。チョコレートの場合、貧しい国で働くあの子どもたちかもしれない。日本は、食料自給率がとても低いのに、1秒間に8000 個のおにぎり分が廃棄されている現実。私たちは自分の消費に対してもっと関心と責任を持つべきだ。

これまで、私は普段84 円のチョコレートが70 円になっていると、喜んでいたが、14 円安くするためには、誰かが辛い思いをしているのかもしれない、そう考えると少し悩む。中学生の私にとって、400円のチョコレートは高い。しかし、400円の意味を知ったから、少し悩みながら、私は時々はそのチョコレートを買うだろう。私のチョコレートが誰かの人生につながっていることを知ったのだから。