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函館の学校で寮生活を送る岩本さんが、コロナや夏休みの帰省で実家のある鹿児島の海岸で行った活動。そうした状況下で、漁師になるという夢が少し変わったという彼の心境の変化や考えが綴られています。

2021年度 優秀賞
岩本 勝太郎さん 函館ラ・サール学園 3年

 

 

Q. エッセイコンテストに応募されたのはなぜですか? きっかけや経緯を教えてください。

僕がエッセイを書く? 全く考えていませんでした。それもJICAの。だって僕は志なんか低くて、国際協力とか大それたことはできないし、目の前のことでいっぱいいっぱいでそれで満足している中学三年生です。でも長い長い夏休み、毎日家の前の海で釣って、潜って、銛つきして、飛び込んで、海岸を歩く。昨日、風強かったからゴミスゲーな。無視できない。と拾いはじめました。毎日毎日。流れ着くゴミ、流れて行くゴミ、綺麗な海が壊れていきそうだ…。と母に話すと、一人じゃなくてみんなでやればいいね。まずはゴミのこと知ってもらわないと! と思いキャラじゃないんだけどエッセイを書きました。

Q. エッセイで一番表現したかったのはどんなことですか?

コロナ禍で僕たち中学生はことごとくイベント中止で、授業もオンライン。でも勉強はしなければならない。上手くいかなくなると、だって「コロナだから」の便利な言葉で片づける。コロナだから何もしないのではなく、いま何かできることを考える、そして行動する、勇気をだして。勉強ソコソコ、将来も夢もフラフラ、ユラユラ、こんなぼくでも何かできる!小さなアクションがいずれ大きなアクションになるということ。

Q. エッセイ執筆の過程で苦労したことや、工夫したことがあれば教えてください。

全く苦労しませんでした。何度も書き直したりすることもなく、上手く書こう! とも思わず、入賞してやる!とも思わず、僕がその時思っていることを書いただけです。

 

Q. 執筆してよかったと思うことがあれば、教えてください。

僕が寮にいる間は母がゴミを拾っています。行きつけの釣具屋さんにもエッセイを貼ってもらいました。まさに僕の小さなアクションが少しずつ大きなアクションに変化しています。

 

 

Q. 次回のコンテストの応募を考えている生徒に向けて、テーマの決め方や、文章の書き方のアドバイスをお願いします。

実は今回で2回目の応募です。中1の時に一度。あの時は我が家のリビングにあるボツワナの少女の絵のエッセイでした。近所のジェトロの図書館でボツワナのことを調べたりしてなかなか上手く書けなくて、もう書くのをやめようかなと思った記憶があります。ボツワナに行ってみなきゃ書けない…なんて思ったくらいでした。笑。確かに、上手く書こう、入賞したい、なんていう気持ちがありました。結果、参加賞。笑。僕は今回入賞して、少しだけアドバイスできるのなら、自分の身近にある小さな事に着目してくださいということです。だって僕たちまだ中高生です。いきなり日本や世界をどうにかしたいなんてできません。それから、これってなんでだろう? と常に考えてみてください。たとえば、スーパーの魚コーナーの生スルメイカが最近少なくなったな…とか、夏の海水浴の時、去年もこんなに冷たかった?とかいつも買ってるお菓子が値上がりしたとか、何で?と疑問に思うことから始まるとおもいます。興味を持ち、調べる。きっと目の前の小さな問題点は、日本、世界、地球の問題点につながるはずです。

Q. あなたのこれからの目標や夢があれば教えてください。国際協力に何らかの形でかかわりたいと思っているようでしたら、そのかかわり方も教えてください。

今月(2022年2月)またクラスター発生で実家に帰省していました。1週間は自主隔離、あとの2週間はほぼ毎日イカ釣りをしていました。海藻の減少でイカの産卵場所が少ないのか、イカが年々少なくなってきていると思います。豊かな海を守るために、昔のような豊かな海に戻すために、僕は必要な知識を学び、日本中世界中の海を豊かな海にしていく、そんなことができればいいなと考えます。