審査員特別賞

手ぬぐいから考える SDGs

学校法人國學院大學 國學院大學久我山中学高等学校 3年 多田 路佳

手ぬぐいは私にとって欠かせないものだ。私は中学校で剣道部に入部した。剣道では面をかぶる前に手ぬぐいを頭に巻く。そのためほとんど毎日使うようになり、私にとって身近なものになった。そして、手ぬぐいの存在と良さに気が付いた。私は汗っかきな方だが手ぬぐいは吸水性がよく、私のかいた汗をしっかり吸収してくれる。それに生地が柔らかいので、長時間つけていても頭が痛くなることもない。私は3年間剣道で手ぬぐいを使っているが、何回洗濯しても生地が硬くなることもないし、逆に使い込むほど味が出る。

手ぬぐいは、平安時代からあるともいわれている。しかし当時の布は高価で、祭礼で使われていた。江戸時代には着物を作るときに余った布を無駄にせず利用して、今の手ぬぐいの原型が作られ普及した。手ぬぐいには、長い歴史とともに昔の人の知恵もある。手ぬぐいは使っていると端の糸がほつれてくることもあるがそれは端を縫わないことで乾きを早くし、雑菌の繁殖を防ぐという昔の人の工夫でありそのおかげで今の手ぬぐいがある。平安時代から現代まで手ぬぐいが 残っているのは手ぬぐいが使いやすいものだからではないだろうか。今の社会はどんどん新しいものが作られ快適に過ごせるようになったが、一方で環境問題は増えている。そんな手ぬぐいを私はなにかに役立てたいと考えた。

そこで、私は学校の授業でよく学んでいるSDGs と結び付けて考えてみた。手ぬぐいは、17 個の目標のうち目標11の「住み続けられるまちづくりを」と目標12 の「つくる責任、つかう責任」と関係していると考えた。技術が昔よりも発達し、大量生産と大量消費を繰り返しごみがあふれている現代。多くのものが使い捨てされ、環境に負担をかけている。石油は、あと41 年しかもたないとも言われ、資源の限界も近づいている。住み続けられるまちづくりのためにも私たち消費者は使う責任をしっかり理解するべきだ。また手ぬぐいは耐久性が非常に優れ、長持ちする。包み物や手や顔をふく時の道具にも姿を変えることができ、繰り返し使えるので非常に環境に良い。昔の人は今ほど快適な暮らしはしていなかったが、その中でも知識を絞り出し懸命に生きてきた。新しいものを生み出すのも良いが、時には昔の人のように今あるものを最大限に活用していくのも良いかもしれない。千年以上もの間、使い方を変えながらもあり続けるのは手ぬぐいが持続可能なものだからだと思う。そんな手ぬぐいを日本や世界のみんなにも使ってほしい。

 私は今日も、手ぬぐいの歴史や昔の人の知恵に誇りを持って手ぬぐいを使っている。私たちは、持続可能な地球のために使う責任を常に考えなければいけない。手ぬぐいのように環境に良いものは何かをしっかり見極め、よいものを長く大切に使い、資源には限りがあるのだと理解していきたい。そして、きれいな地球を未来につなげていきたい。