「創作活動って興味はあるけど、何をしたら良いかわからない…」そんな方に必見!創作活動をするにあたってのポイントを、第25回全国高校生創作コンテスト現代詩の部の受賞者に伺った。
短歌の部 受賞者インタビュー
最優秀賞 東京純心女子高等学校 小沢 真奈さん

―このコンテストに応募しようと思った理由を教えてください
高校生新聞のオンラインニュースで、創作コンテストについての記事を見つけたり、学校に掲示してあったポスターを見かけたりしたことがきっかけです。今までにも創作活動の経験は少しながらあったものの、コンテストなどに申し込んだことはありませんでした。
そんな中記事で見た素敵な作品の数々に心を動かされ、自分もそんな作品を作れるようになりたい、コンテストに挑戦してみたいと思って応募することを決意しました。
―受賞作品の誕生秘話(こんな場面で思いついた など)や込めた思いを教えてください
雨にも風にも負けてしまう、そのような弱い自分にも何かできることはないだろうか。
今回の創作は、それを考えていくところから始まりました。
その過程で、雨風に負けたことがあるならば、同じような境遇の人に寄り添うことができるのではないかと気づき、この短歌ができあがりました。雨にも風にも負けてしまう。ならば、雨に濡れ風に吹かれている誰かに傘を差し出せるあたたかな心を持っていたい、という願いが込められています。
―受賞作品の創作にあたって、工夫したこと、苦労したこと、楽しかったことをそれぞれ教えてください
自分の思いを言葉にすること、そしてそれを三十一文字という限りある音の中に凝縮することが一番難しかったです。残す情報と削る情報を選択する際、より伝わりやすく、かつ作品に奥行きが出るように工夫して選びました。
また、自分の伝えたい内容"と"自分の知りうる中で最もその内容に当てはまる語彙"のちょっとしたニュアンスの違いにも悩まされました。と同時に、よりふさわしい語彙を模索することに、ある種の楽しさを感じたこともありました。
―受賞作品の創作を通して、得たことや成長したことがあれば教えてください
考えたことや感じたことを言葉に変換することで、よりいっそう深くそれらを自分の中に落とし込むことができたと思います。
また、創作の技術的な面での学びを得れたのはもちろんのこと、言葉というものが持っている可能性の広さや、そこに込められた力の強さを改めて感じることができたことも大きかったです。
―創作のこだわりやポイント、ルーティーンを教えてください
創作においては、私個人はいかに書くか"よりも"いかに書かないか"に重きを置いた方が上手くことが多かったです。これを削ったら思っていることが伝わらないのではといった不安は、読み手の想像力と感性への信頼で拭うようにしていました。
全てを書かなくても自分の思いを読み取ってくれる人の存在を肯定し、自分の中でしっかりとした輪郭をもたせることによって、書かないという勇気が生まれてくるのではないかと思います。
―創作活動の魅力はどんなところですか?
自分でも知らなかった自分に出会えることが魅力的だと思います。
創作をしていると、普段の性格や価値観とは少し違った自分が出てくることがあります。こんなにやわらかい部分があったのかとか、逆にこんなに荒々しい部分があったのかとか、毎回新たな発見があって興味深いです。
創作によって、「自分」に対する解釈が広げることができました。「自分」のことは自分が一番分かっているようで、実はまだまだよく分かっていないのかもしれないと時折感じます。
- こちらも必見!
- 審査員を務める 田中章義先生(歌人)に聞いた、創作のコツはこちら