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ユネスコのカンボジアスタディツアーに参加した平尾織花さんは、数字やデータからはわからない現状を目にし、現地の人の声を伝える大切さに気づきました。

2019年度 国際協力特別賞
平尾 織花さん 秋田県立秋田高等学校 1年)

2列右から2番目が平尾さん

Q. エッセイコンテストに応募されたのはなぜですか? きっかけや経緯を教えてください。

昨年の夏、私はユネスコカンボジアスタディツアーに参加しました。日本にいるだけではわからないこと、現地の人の声を聞いてみないとわからないことがたくさんあり、カンボジアの本当の現状を伝えたいと思いました。また、その経験やその時感じた自分の気持ち、考えたことを自分の中だけにおさめておくのではなく、エッセイを通してより多くの人に伝え、一人でも多くの人にカンボジアの現状を知ってもらいたいと考え、応募しました。

Q. エッセイで一番表現したかったのはどんなことですか?

数字やデータをうのみにするのではなく、そのデータの背景に隠れている届かぬ人の声や現状に目を向けることが大切だということです。はじめ、カンボジアの就学率は90%だと聞いていたため以前よりも教育が普及してきていると思っていました。しかし、農村部の家庭訪問を通して男の声を聞いたとき、必ずしもそうであるとは限らないとわかりました。その男の子は、「僕は学校に通っているけれども、そのせいで弟は学校に行けないし、勉強もできない。弟のためにも僕が学校をやめて行かせるべきだと思っている」と話しました。数字やデータの背景には、届かぬ人の声や問題の本質があり、私が本当に目を向けなければならなかったのは現状だったと気づかされました。

Q. エッセイ執筆の過程で苦労したことや、工夫したことがあれば教えてください。

私が現地で聞いた男の子の届かぬ声を私がかわりに伝えていくためには、どのように書けばいいのか悩みました。

Q. 執筆してよかったと思うことがあれば、教えてください。

私のエッセイを読んで下さった方から、大切なことに気づかせてくれてありがとうという言葉をいただいたり、今自分に何ができるのかを一緒に考え行動する仲間が増えたりしたことです。

Q. 次回のコンテストの応募を考えている生徒に向けて、テーマの決め方や、文章の書き方のアドバイスをお願いします。

自分の気持ちを素直に書くことが大切だと思います。

Q. あなたのこれからの目標や夢があれば教えてください。国際協力に何らかの形でかかわりたいと思っているようでしたら、そのかかわり方も教えてください。

私には将来、国際協力に携わり世界で困っている人の役に立ちたいという夢があります。この夢は小学校のころから持ち続けており、この夢に少しでも近づくためにも、帰国後に学校で立ち上げたJRCの部員みんなでユネスコ協会の世界寺子屋運動について考え、今の自分に出来ることを行動したり、一緒にカンボジアに行ったメンバーと連絡を取り合い、コロナの影響を受け経済に大きな打撃を受けたカンボジアを支援する独自のプロジェクトを進めたりしています。これからもたくさんの方と関わりを持ち続けていき、一人でも多くの人が国際協力に関心を持ってもらえるよう活動の輪を広げていくことが今の私の目標です。