世界の高校生らが化学の難問を解いて競う第54回国際化学オリンピック日本大会(IChO)が中国(天津)の主催でオンライン開催され、日本代表は初めて4人全員が金メダルを獲得した。7月19日、文部科学省と日本化学会などが発表した。

大会は7月10日から18日まで(日本時間)開催され、世界84カ国・地域の326人が参加した(ロシアからは個人参加)。選手たちは5時間の理論試験に挑んだ。オンライン開催のため、例年実施している実験試験はとりやめられた。

日本代表4人は次の通り(敬称略)。

  • 直井勝己 (なおい・まさき=神奈川・浅野高校3年) 金メダル
  • 柏井史哉 (かしわい・ふみや=群馬・伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校6年) 金メダル
  • 石川貴士 (いしかわ・たかし=東京・筑波大学附属駒場高校2年) 金メダル
  • 中地明 (なかち・あきら=北海道・立命館慶祥高校3年) 金メダル
2022年の国際化学オリンピック日本代表の4人。左から中地さん、石川さん、柏井さん、直井さん(日本化学会提供)

規定によると、メダルは、金が全体の上位1割に、銀が続く2割に、銅は続く3割に与えられる。今回、金メダルは36人に贈られた。

日本代表全員が金メダルを獲得したのは、2003年の代表派遣開始以来、初めて。これまで金メダルの獲得数は、2019年などの2個が最多だった。今回、代表4人全員が金メダルを獲得したのは、日本のほかに中国、ベトナム、台湾。個人参加となったロシアの4人も全員が金メダルだった。

代表生徒は国内大会で選抜される。日本代表全員がメダルを獲得するのは19年連続だ。

2023年の55回大会はスイスのチューリッヒで開催される。