東京工業大学は3月15日、「ゼロカーボンエネルギー研究所」を6月1日に設置すると発表した。世界各国が脱炭素社会実現を目指していることを受け、学内で取り組んできたエネルギー研究を新研究所に集約し、カーボンニュートラルに貢献するのが狙いだ。

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにすること。東工大では、その実現には「ゼロカーボンエネルギーである再生可能エネルギーの積極的かつ実効性ある活用や安全性に優れた原子力エネルギーの利用が必須」「炭素および物質を循環利用することも併せて必要」という考えから、エネルギーの安定供給と経済性を有した炭素・物質循環社会の実現を目指した研究に取り組むという。

東京工業大学が作成した資料より「ゼロカーボンエネルギー研究所が目指すエネルギー社会」

東工大は、先導原子力研究所を改組して新研究所を設立し、2部門を設ける。フューチャーエネルギー部門では、先進カーボンニュートラル技術の社会実装を進める。原子力工学部門では、小型炉、核融合炉などの先進原子力システム研究などに取り組む。これまで取り組んできた福島の拠点での活動や東京電力との連携も引き続き行い、原発事故で被害を受けた福島の復興にも貢献するとしている。