70メートルの大台へ歩み止めず

決勝では、64メートル49を放った3投目にトップに立つと、5投目に65メートル83をマークし、勝負を決めた。しかし、初優勝を手にしても、「(前回の優勝記録である65メートル98の)大会記録を抜けなかった。去年だったら負けていると思うと悔しいです」と、執行の顔は浮かなかった。

インターハイ陸上男子ハンマー投げで優勝した執行大地

ファウルに終わった2投目の試技を悔やんだ。「いつも以上にハンマーが走って、『これは来たな』と思ったのですが、左方向にずれてネットに当たってしまいました。(本来の方向に投げられていたら)かなり距離が出ていたと思うので、あの投てきが一番心残りです」

その後、すぐに「右腰が抜けていたことや軌道に乗せるのがうまくいっていなかったこと」などを修正し、3投目以降につなげたあたりはさすがだったが、記録に結びつけるまでには至らなかった。

「今のフォームでもまだまだ悪いところが多い」と話す執行。逆に言えば、そこを改善し、理想の投げを実現できれば、記録のさらなる上積みが期待できる。大台の70メートル突破へ、執行はその歩みを止めない。