「寝てばかりいると太る」と聞いたことがあるけれど、本当なのだろうか。睡眠と肥満の関係を、肥満外来の専門医・左藤桂子先生に聞いた。(野口涼)

Q. 寝てばかりいると、太るって本当?

A. 毎晩しっかり眠ると痩せることができる。

 

私たちの体には「ひと晩しっかり眠ると300キロカロリー分の脂肪が燃える」という基本的な体の仕組みが備わっています。300キロカロリーとは、茶わんに軽く2杯のご飯をよそった程度の熱量。つまり、良質な睡眠を十分にとるだけで、毎晩ご飯2杯分のカロリーを消費できることになります。

良質な睡眠をとればカロリーを3倍消費できる

重要なのは「良質な睡眠を十分に」という点。そうでない睡眠をとった場合の消費熱量は、「良質な睡眠を十分に」とったときの3分の1になってしまうことがわかっています。その差はひと晩で200キロカロリー。約7200キロカロリーを消費すると1キロの脂肪が減るといわれていますから、7200(キロカロリー)÷200(キロカロリー)=36(日)。計算上、ただグッスリ眠ることを36日間続けるだけでマイナス1キロ、約半年で5キロもやせることができるのです。そのくらい、睡眠は大切です。
 

 

左藤桂子先生
(佐藤桂子ヘルスプロモーション研究所)

さとう・けいこ  30年で3万人の肥満治療をした肥満外来専門医。著書に『ダイエット専門医の一生太らない食べ方』『痩せるための睡眠と食事 25の秘訣』など。