ボンジョルノ! 昨年8月から2年間留学中のインターナショナルスクール・UWCイタリア校での日々をお届けしていきます。3回目となる今回は、日本の部活に当たるアクティビティやボランティアがどのようなものなのかをお届けしていきます。(高校生記者・一丸暖歌=3年)

ノルウェー人の友達と山頂で(左が一丸さん)

活動は週に1回 

私の通う学校は、国際バカロレア(IB)というカリキュラムを採択しています。そのIBの一環となるのが「CAS」です。Creativity(文化系)、 Activity(運動系)、Service(社会貢献系)の三つの項目からそれぞれ一つ以上必ずアクティビティを取らなければいけません。普段周りの人には「部活のようなもの」と説明しているのですが、実態は「週に1回、自分たちで考えて活動する」などと日本人の感覚からするとかなり緩い雰囲気です。

ノルディックスキーで30キロのマラソン

ノルディックスキーでの1枚。親友のマレーシア人とモロッコ人と。大変なコースでも笑いにあふれてました

私は、Creativityはコーラス、Activityはクライミング、Serviceは学童保育を行いました。クライミングでは始めて1カ月にも関わらず世界遺産のドロミテ渓谷へ行けましたし、クライミングができない冬には代わりにノルディックスキーに初挑戦。これまた1カ月後には30キロのマラソンを踏破……など、なかなか貴重な体験をすることができました。コーラスは、世界各国の仲間と歌うので、音の響きが日本での合唱とは異なり、興味深かったです。Serviceでは、主にバングラディシュ出身の子どもたちにソーラン節や折り紙を教えて、喜んでもらえました。

その他にもセイリング、アーチェリー、イタリアの都市を巡る「Cultural Trip」などユニークなものが勢ぞろい。海を見たことのなかったエチオピア人が水泳を習ったり、女性として社会的に圧迫を受けていたイランの女の子がピアノを弾けるようになったり、と新しいことに挑戦する環境が整っています。

ドロミテ渓谷にて。道具は全てレンタルできます

自分で新しい活動を考えられる

また、CASの魅力は自分で簡単に新しいアクティビティを作ることも可能な点にあります。コスタリカにある系列校に通う同期の日本人には「日本食講座を開いた」なんてつわものもいますが、私もServiceの項目で地元の家族に受け入れてもらうホストファミリープロジェクトを立ち上げたり、乗馬をActivityとして認めてもらおうとしたりとCASの活性化に取り組んでいます。

CASは、3月に行われる生徒が交通手段の確保から各地でのアクティビティまで全て企画運営する「プロジェクトウィーク」という学習旅行のような行事にも関わってきます。また、それとは少し異なるのですが、生徒が企画書を出し、認められると学校の機関から基金がもらえ、夏休みにボランティア活動を行うこともできます。実際に、今年の夏休みはレバノンやネパールで若者のために働いているグループがありました。

イタリア校生徒のすさまじい自主性や行動力が少しでも伝わっていれば幸いです。それでは、チャオ!