国際交流や異文化理解という言葉が話題になっている中、私は昨年の7月から今年の9月まで、10カ月間オーストリアに交換留学に行きました。私が思う高校留学の良さや身に付いた力などを紹介します。(高校生記者・candis=2年)

【1】視野が広がった

視野が広がりました。留学して、最初の感想は「思っていたのと違う!」。食べ物や、人との距離間、生活スタイルなど日本とはまるで違うことばかりでした。

メキシコ人留学生、日本人留学生と私(右)

感情を表に出す文化に驚きました。良くも悪くも、感情を比較的わかりやすく相手に表現します。当初はカルチャーショックを受けましたが、だんだんと違いを面白く感じ、その方がありのままの自分を出して人との関わりが深くなると気付きました。

【2】自分自身を見つめ直せる

自分自身を見つめ直せました。私は留学当初、なかなか友達ができませんでした。しかしそれによって1人の時間が増え、自分自身を見つめ直すきっかけになりました。

クリスマスのグラーツ市内にて

留学前、私はとにかく周りに合わせていました。「傷つくことを言われたけど、私はいじられ役だし黙っておこう」など、周りに作られた人間でした。自分は何のためにいるのか分からなくなっていました。自己分析の時間ができたことで、自分自身を理解しようと思うきっかけになりました。

【3】コミュニケーション力がつく

コミュニケーション力が身につきました。留学先の高校では、困ったことがあったら誰かに聞くしかありませんでした。下手なドイツ語で理解してもらえないことも多く、逃げ出したくなったこともたくさんありました。しかし、ドイツ語が上達すると現地の人たちとの会話も楽しくなり、もっといろんな話ができる人を増やしていきたいと思いました。

2人のホストシスターと山頂で

最初の慣れないことが続いた経験があったから、同じような状況の人にも思いやりを持って積極的に話しかけられる力もついたと思います。

【4】価値観が変わった

自分の価値観が変わりました。オーストリアは日本と比べ「ゆったり」していました。例えば、学校や塾でテストの結果や順位が張り出されたり、会社でも営業成績がランク付けされたりと競争が激しい日本では、「幸せとはこうすること、こうなること」と型にはめられると感じます。

私は留学を通して、個性を大事にする雰囲気の中、「みんなと同じことをするだけでは自分の力を最大限に生かせない」と感じました。「何事にもまずは挑戦心を持とう」という意識に変わりました。