優勝した八幡浜工業高校のチーム(学校提供)

国際ロボットコンテスト「World Robot Olympiad 2016」(11月25~27日、インド)で八幡浜工業高校(愛媛)が優勝した。同校は、2011年にもこの大会で優勝しており、5年ぶり2度目の世界一に輝いた。
(中田宗孝)

平日は放課後、休日は半日以上制作

兵頭凱斗君、水本陸矢君、八木玲音君(ともに3年)のチームが出場したのは、39カ国・82チームによる高校生レギュラーカテゴリ部門。各チームが制作した自律自走ロボットが課題をクリアする速さと正確さを競った。基本ルールを大会当日に一部変更して、各チームの対応力を試す「サプライズルール」が得点に反映されるのが同大会の特長だ。

昨年6月から、放課後の時間をロボット制作や練習に充て、休日は1日13時間も制作に没頭した。ロボット制作に明確な答えはなく、作り手次第で「動きが速い」「細かい動作が得意」といったさまざまなタイプが出来上がるという。課題成功率は「90%だが5秒でクリア」「7秒かかるが99%の成功率」どちらがいいのか。このように制作過程で意見が割れた時は、メンバー全員が納得するまで話し合いをした。

他国に勝つための作戦が奏功

「僕らの学校は全国大会の常連。だから地区予選で終わりたくない思いが強く、一番緊張しました」(兵頭君)と話す、8月に行われた中国・四国大会を突破し、9月の全国大会でも上位の成績をおさめて国際大会の出場権を獲得した。

国際大会では、ロシアやタイのチームが制作したロボットの動きの速さに驚いたという。課題クリアのスピード勝負ではかなわない。八幡浜工業チームは、サプライズルールの対応に力を入れて着実に得点を獲得する作戦に。功を奏して見事、優勝を果たした。チームリーダーの兵頭君は、「制作がうまくいかない時も根気よく向き合った。そのひとつひとつの積み重ねが勝因」と振り返った。

着実に得点を獲得した八幡浜工業チーム(学校提供)