「一番嫌な科目は何ですか?」。以前の私は「体育」と即答していました。しかし今は少し違います。思わぬきっかけからマラソンのボランティアに挑戦し、スポーツに対する考えが変わりました。運動嫌いな人に届けたい思いを伝えます。(高校生記者・杏仁豆腐=3年)

推しがきっかけでマラソンボランティアに挑戦

私が体育を嫌いな理由の一つに、運動への苦手意識がありました。小学校ではドッジボールでおびえ、中学校では実技評定C。チームプレーの競技で周囲に迷惑をかけることも嫌で、スポーツに興味もありませんでした。

ボランティアのウエアは記念品としてもらえる

そんな私に、思わぬ転機が訪れます。好きなアイドル「=LOVE」の瀧脇笙古さんが、東京マラソンに参加すると聞いたのです。私は「マラソンのボランティアをすれば、間接的に推しをサポートできる!」と思い、ボランティアへの参加を決めました。

上下関係ない居場所を見つけた

大会当日は、ランナーへのビブスの配布や受付、本人確認、誘導などを行いました。大人ばかりで最初は不安でしたが、年齢関係なく対等な「一人のメンバー」として接してもらえ、楽しむ余裕が出てきました。年上の人から作業を進める上で相談を受けたり、合間に雑談をしたりして、年齢関係なく接してもらい、上下関係がある学校とは違うと感じました。

今も継続的に参加し、顔見知りが増えていきました。学校とも地元とも違う別の空間に自分の居場所があることに、あたたかさを感じました。

体育が苦手なのは疎外感が理由だった

ずっと運動が苦手で、スポーツとは無縁の人生だと思っていました。しかしボランティアを通して、プレーヤー以外にもスポーツとの関わり方があると分かりました。

国立競技場でもボランティアの活動を行った

加えて、学校の体育につながる発見もありました。体育が嫌だと感じていた原因は、「輪の中に入れないことによる疎外感」だと気がついたのです。「みんなと違って自分は下手だから」と消極的になっていましたが、体育の授業もボランティアと同じように、周りの人たちとの関わりを楽しむことが大切なのだと感じました。この経験を通じ、特に運動に対して苦手意識がある人にボランティア活動をおすすめしたいです。