「JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2023」(国際協力機構主催)の表彰式が2月17日に東京都内で開催された。募集テーマは「地球に生きる私たち~未来へつなげるために~」。28回目となる中学生の部に1万7439 点、62回目となる高校生の部に2万153点の応募が寄せられた。当日は、上位入賞者が集い、作品に込めた思いなどを語った。

「人々を豊かにする仕組みに貢献したい」中学生の部・髙嶋さん

中学生の部の最優秀賞・JICA理事長賞は、髙嶋凛乃さん(東京・恵泉女学園中学校3年)。エッセイ「「学校給食」がつくる未来~社会課題への関心と行動をつなげる~」では、ネパールの中学生から「国の発展のために必要不可欠」と聞いたのをきっかけに学校給食について調べ、子どもを児童労働から引き離し、将来高収入を得る手段を得させる仕組みだと知ったことや、中学生にもできる支援として小遣いの一部をNPOに寄付したり、途上国の給食を支援する「おにぎりアクション」に参加しようとしていることを紹介した。表彰式では「世界中の人との交流から学び、人々を豊かにする仕組みづくりに貢献したい」と力を込めた。

「JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2023」中学生の部の上位入賞者ら(2024年2月17日、「JICA東京」で開かれた表彰式=JICA提供)

「一歩踏み出せば仲間が力を貸してくれる」高校生の部・兼頭さん

高校生の部の最優秀賞・JICA理事長賞に選ばれた兼頭玄さん(愛媛県立松山東高校2年)は瀬戸内海の弓削島出身。エッセイ「信じる力」では、中学生の時に海洋プラごみ汚染を憂慮して企画した海外清掃イベントや、高校生になって主催した海外の高校生と熱帯雨林保全について語り合うイベントなどの取り組みを紹介。マレーシアでの森林保全研修では、開発、自然保護、暮らしが一見矛盾する現実を目の当たりにした葛藤もつづりつつ、思いやりや対話によって「未来への解決策を探ることができる」と人間の可能性を強調した。表彰式でも「勇気を出して一歩踏み出せば、仲間が力を貸してくれる」とこれまで手掛けた活動の手ごたえと、紛争解決に携わる目標を語った。

「JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2023」高校生の部の上位入賞者ら(2024年2月17日、「JICA東京」で開かれた表彰式=JICA提供)
 

表彰式後は、中学生、高校生の上位入賞者が、中学生の部審査員長の尾木直樹さんらと、作品や将来について語り合った。