インターハイ陸上競技は7月28日から8月2日まで新潟市の東北電力ビッグスワンスタジアムで開催された。男子棒高跳びは、今季高校ランキング1位の堀田早人(大阪・東大阪大柏原3年)=大阪・陵南中出身=がただ一人、5㍍15を跳んで初優勝した。 (小野哲史)

4㍍80が一つの勝負どころだった。有力選手が2回目までに次々と成功させていく中、堀田は「『勝たなあかん』と珍しく緊張してビビっていた」と2回失敗。そこで先生のアドバイスもあり、30㍍ダッシュを何度か繰り返して体を刺激した。3回目の成功で持ち直すと、「試合を楽しもう」という意識に変わり、本来のバネのある跳躍が戻ってきた。

5㍍00を1回でクリアし、5㍍05も2回目で成功。残り4人での戦いになり、「5㍍10を1回で跳べたことが大きかった」と堀田は振り返る。同じ高さを植松倫理(静岡・浜松北3年)=静岡・天竜中出身=が2回目で、毛呂泰紘(千葉・柏日体3年)=千葉・神崎中出身=も3回目で成功したが、ハイレベルな戦いを楽しむ心のゆとりが堀田にはあった。

3人がいずれも2回失敗して迎えた5㍍15の最終試技。植松と毛呂がクリアできなかった3回目で、堀田は見事にバーを越えて勝負を決めた。自己記録更新を狙って臨んだ5㍍20はクリアできなかったものの、「この大舞台で5㍍15を跳べたことがよかった。優勝できてうれしい」と素直に喜んだ。

身長171㌢の小柄な体ながら、スピードを生かした助走から大きくしならせるポールにうまく乗るテクニックで、堀田は昨年の3位から高校王者へと上り詰めた。次なる目標は国体だ。前回2位に終わった雪辱を果たし、「5㍍31の大会記録も跳びたい」と意欲を見せた。

【ほった・はやと 】
1994年11月17日、大阪府生まれ。2011年日本ユース優勝。自己記録は総体2週間前にマークした5㍍16。跳躍のタイプが近い、今季の日本選手権覇者でロンドン五輪にも出場した山本聖途(中京大)に憧れている。171㌢、62㌔。