受験本番が近づくにつれて、不安な気持ちも募りがちだLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」をフォローしている高校生読者から、不安で眠れないと悩みが寄せられた。医師として受験生のメンタルケアに取り組む吉田たかよし先生に、対策を聞いた。(安永美穂)

お悩み:合格できるか不安で眠れません

 夜寝る前に目をつぶると、合格できるか不安でたまらなくなり、なかなか眠れません。もし不合格になったらという想像がふくらみ、つらいです。ちゃんと眠れるようになるためのアドバイスがほしいです。

不安で眠れないのは「当たり前」

入試直前期に不安な気持ちから寝つきが悪くなるというのは、多くの受験生にみられることです。「自分だけが眠れなくて困っている」という思い込みをまずは手放しましょう。
不安が高まる時期に眠りが浅くなるのは自然なことで、「当たり前のことが当たり前に起きているんだな」「自分も普通の人間なんだな」という受け止め方をするくらいでちょうどよいのです。

夕方の無酸素運動で眠気を引き出す

寝つきをよくするには、夕方の時間帯に「無酸素運動」に取り組むことを習慣にするのが効果的です。無酸素運動とは、短時間のうちに強い力をかけて行う、心拍数が上がるような運動のこと。筋肉を収縮させるエネルギーを、酸素を使わずに作り出すことからこのような呼ばれ方がされています。

無酸素運動をして筋肉の線維に断裂ができると、筋肉を修復する成長ホルモンの分泌が活性化されます。成長ホルモンは睡眠にも関連する物質であるため、よく眠れるようになると考えられています。

おすすめは3分間の二重跳び

受験生の皆さんにおすすめの無酸素運動は縄跳びの二重跳びです。毎日、夕方に3分程度、二重跳びをすることを習慣にすれば、筋肉の断裂が起こり、その修復のために夜は自然と眠くなるはずです。縄跳びのほかには、屈伸運動などの筋トレも無酸素運動としておすすめです。

二重跳びがオススメ

心身の緊張をほぐすには、散歩や軽いジョギングなどの「有酸素運動」も有効ですが、寝つきをよくする目的であれば、身体に短時間のうちに負荷をかける「無酸素運動」も組み合わせることを意識しましょう。

 

吉田たかよし先生
 よしだ・たかよし 医学博士・心療内科医師。「本郷赤門前クリニック」院長として、脳科学と学習医学を活用して受験生の心身をサポート。「受験うつ」「受験燃え尽き症候群」などの治療に取り組んでいる。「本郷赤門前クリニック(吉田たかよし院長)」HP
http://www.akamon-clinic.com/

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