まきの・ひろこ 1999年8月20日生まれ、千葉県出身。東京ドーム所属。2歳で水泳を始める。162センチ、55キロ。

 

競泳の世界選手権(7月)代表選考会を兼ねた日本選手権が4月に愛知・日本ガイシアリーナで開かれた。高校生スイマーが活躍し、リオデジャネイロ五輪の出場者以外にも、新たに世界に挑戦する「期待の星」が誕生した。
(文・田坂友暁、写真・中村博之)

世界への切符つかむ

「一緒に練習している(長谷川)涼香と、絶対に一緒に代表になろうって話していて、それがかなって本当に良かったです」。満面の笑みを浮かべたのは、200メートルバタフライ決勝で2位(2分7秒15)に入り、世界選手権への切符を手にした牧野紘子(東京・東大付中教校6年)だ。

個人メドレーで昨年のリオ五輪代表候補に名を連ねながらも、実力を出し切れずに出場を逃した。同じスイミングスクールで練習する長谷川涼香(東京・淑徳巣鴨3年)が200メートルバタフライで五輪代表入りを果たした姿を、指をくわえて見ているしかなかった。「もうこんな悔しい思いをしたくない」

400メートル個人メドレーで日本ランキング4位、200メートルバタフライで日本ランキング3位の記録を持ち、代表権獲得に自信を持って迎えた今年の日本選手権だったが、大会2日目に行われた400メートル個人メドレーで7位とつまずいてしまう。「緊張して力が出せませんでした」と涙を浮かべる姿からは、もう世界選手権の代表権を得ることは難しいかと思われた。

しかし翌日の200メートルバタフライの予選後、「昨日のことは、なかったことにしました」と、一転して笑みを浮かべる牧野の姿があった。今までは、悪い結果を引きずるところがあったが、気持ちを切り替えられるメンタルの強さも身につけていた。

勉強は練習後2時間

学業では理数系が得意。普段は練習後、夜に2時間ほど勉強するが「苦にはならない」と話す。文武両道を行く牧野は、苦楽を共にする仲間と一緒に、世界への第一歩を踏み出した。