約100名の部員を抱える東海大学サッカー部。来春卒業する4年生から5名、さらに現時点から卒業後のプロ契約が内定した3年生の選手が1名おり、6名のプロ選手が誕生することとなった。12月3日(水)に同大学の湘南キャンパスで、Jリーグ加入内定者記者会見が行われた。

 

仲間たちの力も証明

プロチームとの契約が内定したのは、丸山大和選手、桑子流空選手、堤陽輝選手、田畑知起選手、星景虎選手(いずれも体育学部4年生)の5名と、2027年度からの契約が内定している松橋啓太選手(体育学部3年生)の計6選手。

記者会見には、選手とともにサッカー部監督の浅田忠亮氏、入団先各チームのスカウト担当者が出席した。

冒頭のあいさつで浅田監督は「ここにいる選手たちの力はもちろんだが、これまで小学校・中学校・高校・大学と彼らに関わってきた人たちすべての力でもあり、同時にサッカー部の仲間の力でもある」と話す。

会場には、日々苦楽を共にしているサッカー部メンバーも全員集まっており、6選手を祝福した。

高校時代と比べ成長した点は?6選手にきく

FC今治が内定した丸山大和選手(青森山田高校出身)

「一番成長したのは『心』の部分だと思います。自分の目標に対して、強い思いを持ち、夢に向かうことが一番大事だと、大学のサッカー部で気づかされました。一人の人間として成長できたと思います」(丸山選手)

 

FC大阪に内定した桑子流空選手(前橋育英高校出身)

「基礎を大事にする姿勢を学びました。東海大学サッカー部は、基礎の徹底を大事にしています。それはプレーだけではなく、練習前の芝生の整備だったり、寮の清掃、用具の片づけなどもそうです。こうした部分をおろそかにしないからこそ、チームとしても結果を出せたのだと思います。プロになってからも基礎を徹底しながらがんばりたいです」(桑子選手)

 

栃木SCに内定した堤陽輝選手(東海大福岡高校出身)

「一番成長したのはメンタル面です。入学してすぐの頃はプレーの波が大きかったのですが、時間が経つにつれてメンタル面が強化されていく実感があり、プレーの波が減っていったと感じています」(堤選手)

 

栃木SCに内定した田畑知起選手(松山工業高校出身)

「プロ選手になるという目標がぶれることなく続けられた点です。入寮当初は、レベルの高い仲間や先輩がたくさんいて、『自分がプロになれるのだろうか?』と迷ったこともありましたが、自分としっかり向き合い、その目標をぶらさないこと、そして努力し続けられたことが成長した点だと考えています」(田畑選手)

 

ガイナーレ鳥取に内定した星景虎選手(矢板中央高校出身)

「自分はフィジカル、メンタルの2つの面が成長しました。1年生の時からリーグ戦に出場させていただいていましたが、2年生の時に膝をケガしてしまい、約半年間サッカーができない時期がありました。その時期に、試合出場で感じていたフィジカル面の課題を徹底的に克服しました。また、3年生から背番号10番を背負わせていただき、チームを勝たせなければいけないという責任感を持つようになり、メンタル面でも成長できました」(星選手)

 

松橋啓太選手(東山高校出身)は、2027年度のジュビロ磐田入りが内定

「技術面で大きく成長できたと思います。対外的にもレベルの高い選手たちとプレーする機会に恵まれ、高校までに通用していたことがまったく通用しないと感じたのがきっかけです。学年が進むにしたがって少しずつ成長できていると感じています」(松橋選手)

 

プレーや成績だけではなく人生を考えさせる指導

1学年で5人、同時に6人ものプロが誕生するのは、東海大学サッカー部の歴史でも初めてだという浅田監督。とはいえ、プロの世界は実力主義。その厳しさもしっかりと伝えていきたいと話す。

浅田忠亮監督

「サッカー選手として活躍できる時代はそれほど長くありません。本当に大事なのは現役を引退した後の残りの何十年という人生だ、と普段から選手たちには話しています。プロに行く選手たちにも『3年間は調子に乗らず、サッカーに集中しろよ』と言ってあります」

他の4年生も、卒業の3月まではまだ時間があり、可能性があるという浅田監督。11月に行われたインディペンデンスリーグ(Iリーグ)の全国大会でU-22Aが初優勝し、新人戦の全国大会でも、1、2年生チームが初優勝を飾るなど躍進を続けているサッカー部。選手個々の活躍と共に、チームの快進撃もまだまだ続きそうだ。

 

提供:東海大学