千葉工業大学では、日本における宇宙産業を支えることを課題として、宇宙教育に力を入れている。今回は、「宇宙教育」の取り組みについて紹介しよう。

 

宇宙に関する大きな研究プロジェクトに参画

私立工業大学で国内最古の歴史を持つ千葉工業大学は、高校生・現役大学生を対象とした宇宙教育に力を入れるとともに、惑星探査センターでの高度な研究も行っている。

2009年に立ち上げた「惑星探査研究センター(PERC)」では、JAXA(宇宙航空研究開発機構・日本)をはじめ、NASA(アメリカ航空宇宙局・米国)やESA(欧州宇宙機関・欧州)などの宇宙機関と連携を図り、宇宙における生命の起源や進化の過程を究明する「アストロバイオロジー」を大きな研究テーマとしてかかげ、様々なプロジェクトに取り組んできた。

たとえば、2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」には、千葉工業大学惑星探査研究センターの多くの研究員が、ほぼ全ての科学観測機器に携わっていたという実績を持つ。

そして現在も、様々な宇宙プロジェクトの研究に関わっている。

 

若年層向けの宇宙教育に力を注ぐ理由

宇宙産業は、世界の中でもIT産業の次に来る成長市場として注目されている。モルガン・スタンレー(米)の調査によると、2040年には世界の宇宙ビジネスの市場規模は100兆円を超えると予想されており、2050年には約200.7兆円規模に達する見込みだという。

日本でも政府目標として、2050年には国内の宇宙関連産業の市場規模を約4兆円に掲げているが、この目標を達成するためには、国内の宇宙関連産業に約16万人の人材が必要となるのだという。なかでも、研究者を支える「高度技術者系」の人材が圧倒的に不足しており、その養成が求められているのが現状だ。

こうした予測の中、千葉工業大学は日本の未来の宇宙産業を支える人材の育成に向け、2021年より在学生向け宇宙教育の一環として「高度技術者育成プログラム」を開始。目標は、学部・学科を越えて集まった学生たちが、「2030年度までの10年間で自分たちが作った人工衛星を最大9基打ち上げる」という壮大なものだ。

特設サイトをオープン

在学生への教育以外に、中学生・高校生を対象としたプログラムにも関わっている。それが模擬衛星(缶サット甲子園)やロケット打ち上げ(ロケット甲子園)などの競技にチームで挑む「宇宙甲子園」と、全長約1.7m、全重約5~10㎏、飛翔高度約300mのハイブリッドロケットを、設計・製作、打ち上げまで、すべて高校生自身の手で実現していく「ロケットガール&ロケットボーイ養成講座」。いずれも、宇宙に関わる実践的な技術やプロジェクトマネジメント、チームワークなども学べる内容となっている。

2023年5月には「千葉工業大学の宇宙教育」の特設サイトを開設し、 それぞれのプロジェクトの全容や最新情報をチェックできるようになった。宇宙に少しでも興味があるなら、ぜひ一度特設サイトをチェックしてほしい。

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提供:千葉工業大学