皆さんは「短歌」にどんな印象がありますか? 私は高校から短歌を始めた初心者ですが、作り始めてから「世界が面白く」見えるようになったんです。どんな魅力があるのか紹介します。(高校生記者・ワイヤレス芥子=1年)

言葉を選び、文字を並べ、組み合わせ

まず短歌とは、「五・七・五・七・七」からなる歌のことを指します。俳句とは違い、季語は必要ありません。三十一音なので「みそひともじ」とも呼ばれています。

現代短歌の場合だと、口語体(私たちが普段から使っているような言葉)を使ったり、リズムを崩したりすることもできます。

短歌の魅力を伝えたい!

ですが、おしゃべりの形のままでは、言いたいことを全てまとめることはできません。短歌に落とし込むためには、必要な要素を抽出して言葉を選んでいくことになります。

その抽出と選択、文字の並びや組み合わせを考えるのが、とても面白いです!

短歌には個性が出る

例えば、登校中の電車内で思いついた短歌です。

「まぶた上げ 向かいの一列 全員が スマホ見てれば ビンゴ成功」

次は、下の写真から考えた短歌です。

学校の窓に張り付いていたヤモリ

「守護神の 影だけ見える 踊り場は 学校にいた 僕の手を取る」

このような短歌だけでなく、人によって短歌の雰囲気も意図も違うので、友達と同じ写真で作ってみても面白いかもしれません。あなたはどう構成しますか?

日記のメモ欄に考えたことを書いておく

短歌に正解はない

三十一文字の縛りは、日常の景色や気持ちを表現しやすいです。

もし作文を書くときに、枚数もテーマも決まっていなかったら大変ですよね。もちろん、自由なほうが書きやすい人もいるかもしれません。それでも、既に決まっているルールの中で創意工夫することはとても楽しいです。ルールによる縛りはきつくない、ちょうど良さが短歌の魅力の一つだと思います。

短歌に正解はありません。ただ「良い短歌」はあるはずです。自分が好きなもの、人に伝わりやすいもの……。どの価値観のものさしで「良い」のかは自由です。

まず一首作ってみてください。自分の中で「良い短歌」ができるととてもうれしいですよ!

何気ない日常も面白く見える

私は短歌と出会って、何気ない日常も、どんなふうに捉えて表現するのかを考えることで、世界が面白く見えるようになりました。

自分で日常を切り取って、再度組み立てるからだと思います。

「何が要素になるだろう」「あれとこれをくっつけてみると面白いかも」と思考することは、とても楽しいです。ぜひ試して、自分が見ている世界を再構築してみてください!

「脳に浮く みそひともじを すくう時 僕は世界の 神様になる」